›1 05, 2011

ESCO事業

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ESCO(エスコ)事業とは、Energy Service CompanyのESCOで省エネルギーの提案、施設の提供、維持・管理など包括的なサービスを行う省エネルギー支援サービス事業である。省エネやCO2削減はブームであり、鳩山元首相が温暖化対策や2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減する日本の中期目標の発表をしたので、国家戦略としても企業の義務としても重要な位置づけになっていると注目している。
また、今年施工された改正省エネ法により、事業者はエネルギー管理をしていかなければならない。そして省エネというのは「もったいない」文化や技術の改良という日本人の特性に非常に合っていて競争力のある分野だと思っている。

ESCO推進協議会のWebサイトによると、ESCO事業者の提供するサービスは、下記を行うとのことである。

1)エネルギー診断にもとづく省エネルギー提案
2)提案実現のための省エネルギー設計および施工
3)導入設備の保守・運転管理
4)エネルギー供給に関するサービス
5)事業資金のアレンジ
6)省エネルギー効果の保証
7)省エネルギー効果の計測と徹底した検証
8)計測・検証に基づく改善提言

顧客、金融機関、ESCO事業者との関わり方で、ギャランティード・セイビングス方式とシェアード・セイビングス方式がある。
ESCO事業者が金融機関から借入を行いサービスを提供するのが、シェアード・セイビングス方式であり、顧客は初期投資がゼロでESCO事業を受けることができる。
現状では、ESCO事業者にとっては公募参加での負担が大きい。顧客側にとってはリスクを負うことなく省エネができるのはとてもメリットがあると思う。

問題は現状オフィスビルでどれほどの省エネが可能であるかであるが、調べてみるとオフィスビルのエネルギー使用量の21%が照明で、オフィス専有部分に限っては40%も照明で使われているらしい。他には、空調やコンセントから使われるPC等があるが、初期コストを抑えて省エネを実現するには照明が良さそうだ。初期コストを掛けずに、エアコンの温度を調整するだとか、照明を減らしたり、使わない時は消すといったことも非常に有効だと思うが、やはり現状維持で省エネを実現するのが現実的だろう。

そのような観点から一番有効なのは照明だと思う。オフィスは蛍光灯が多いが、白熱電球もクリプトンランプなど場所によってはかなり使われている。ホテル、デパート、家電量販店、フランチャイズ、ファミレスと色々行って注意深く見てみるのだが、今だに多く使われていることに驚かされる。
白熱電球の電力消費量は蛍光灯タイプや、LEDと比べて非常に大きい。例えば白熱電球60Wが蛍光灯タイプにするだけで15W以下になる。LEDなどの新しいタイプのランプにすれば交換の頻度も10倍以上に向上する。もっともLEDはまだまだ高額のため初期投資を回収するのに長期間かかるか回収できない恐れもあり、色合い・配光角などで代替が効かないということも多いのだろうが。

製品の選定によっては、電力消費のランニングコストを大幅に下げることができ、その下がった費用の中からESCO事業者に支払をするというのは面白いアイデアだ。そして結構簡単に消費電力は下げることができるのだなというのも驚きである。


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