›9 15, 2010

起業士・天馬 運命よ そこをどけ 俺が通る

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Vシネマでは珍しい起業ものであり、実話に基づいた作品である。主人公のモデルとなっている人物は天野雅博氏で、最近テレビでこの人物の紹介がされていて興味をもったので観て見た。
テレビでの紹介は、親無し、少年院に何度も入った、起業するしか生きる術が無かった、そういった人物として紹介されていた。
また、天野雅博氏が起業して成功している会社は数多く、最近では焼酎無料サービスの居酒屋が注目を浴びているそうだ。成功した成金らしく、高級車や高級バイクを派手に乗り回している姿がテレビに映し出されていた。

話し方とか、身なりで拒絶反応をおこす視聴者も多いだろうなと思ったが、そのたくましさや壮絶な人生経験には非常に興味を持った。

映画は失礼ながら予想に反して非常に面白かった。そして感動の連続だった。
Vシネマということや、昔活躍した役者が結構出ていたり、チープな感じがしたのだが、それを遙かに上回るストーリーにくぎ付けになった。

サブタイトルの「運命よ そこをどけ 俺が通る」は主題歌にもなっていてそれがまた良いのだが、その短いフレーズに多くの人生観が詰まっている。
例え、厳しく、避けられない運命であっても、運命に従うことなく人生を切り開いていく姿勢と信念こそが、この映画のストーリーだ。

ヤクザとの決別、昔からの悪友達との決別、そして商売。生きるために金儲けを必死に行い、寝る間を惜しんで本業以外のアルバイトでも稼ぐ。
収集されたゴミから服を縫い合わせて古着屋を始める。売れなければ考えて深夜まで営業する。簡単に儲けられないから人がやりたがらないことを地道にやっていく。
そして、不幸な過去や運命から逃れるための必死さ。そういった苦労する姿こそが人間の生きる価値ではないかと考えさせられた。



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