›8 19, 2010

葬儀ビジネスが盛り上がっているが

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

日本における数少ない成長産業の1つが葬儀屋である。人口は減りつつも老人は増加する。そして日本人は他の先進国の10倍の金額の約230万円も葬儀に費やすそうである。冠婚葬祭の葬は注目の産業なのだ。

古くからある葬儀屋のビジネスモデルは、病院の医師や婦長さんと結託し、死んだら遺族にその場で申し込ませるといった手口だったそうだ。葬儀を値切ったり相見積もりをするのは不謹慎という認識から、ほぼ言い値で申し込んでしまいそうだ。それに準備する期間が短いので即決しなければならないというあまりにも葬儀屋に有利な交渉ができる。原価が恐ろしく低いものを高値で売れるため、小さい葬儀屋は月に1件も葬儀をすれば儲かるという話もある。

「坊主丸儲け」という言葉がある。

そんな中、明朗会計でフランチャイズ展開をする近代的なビジネスモデルの葬儀屋も登場してきている。既に上場している会社もある。
しかし古くからある葬儀屋からずいぶんと嫌がらせを受けているようだ。新規参入にとってとても重要な販売チャネルである病院や婦長さんは既に押さえられているため、かなり大変な営業戦略を取っているようだ。生きている老人への訪問売り込みもしているようだが、これもまた失礼な印象を与えるため大変そうだ。

根本的には葬儀が必要なのかという意見もある。そこまで言わなくても、宗教と結びつけた葬儀スタイルというのは、今後は減っていくだろう。
火葬して墓に骨を入れるという風習も変わるかもしれない。今のスタイルでは墓地は限りなく必要ということになる。環境問題からも火葬は良くないという意見もある。

日本人もそうだが、先進国の若者の多くが無宗教化している。昔に比べて苦労が少ないから宗教が必要無くなってきたのか、もしくは科学の基礎知識が教育されたことによって神や仏が存在しない不可知論が根付いたのか、それともカルト宗教や印象の悪い宗教団体への反発心からか、いずれにしても日常生活と宗教の関わり合いが少なくなってきている。仏壇で毎日お線香をあげるという行為も無くなっていくのかもしれない。

すでに結婚式は完全に西欧化されており、信仰する宗教とは関係無しに教会で挙げたり、牧師がいたりする形だけのものとなっている。
いよいよ葬儀も宗教の儀式では無くなり、完全にイベント化されてしまい、パーティのような形式になっていくのではないだろうか。

つい最近出席した葬儀では、完全な流れ作業で時間短縮のためかお焼香は1回までと回転率を上げているのか知らないが、余り気持ちの良いものでは無かった。まあ、短時間で終わるので出席する立場からは良いのだが。


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