›8 16, 2010

出社は月に3日でいい

Category: 書評 / 0 Comments: Post / View

衝撃的なタイトルであり、理想の働く環境に思えた。企業のオーナー社長にはこの本の筆者のように月に3日出勤するどころか、社員にまかせっぱなしで遊びっぱなしの人も稀にいる。知り合いでは、ヨットで何か月も旅をする社長もいるし、1カ月働いたら3ヶ月間海外で暮らすライフスタイルの社長もいる。

しかし大多数は、土日も祝日も関係無く、会社のことで頭が一杯で用事が無くても会社に行ってしまうような社長ばかりが思い浮かぶ。

これまで自宅勤務に適するのは個人事業主のSOHOのようなスタイルや、再分化された仕事の一部を受けるエンジニアのような仕事だという認識が強かったが、この本の筆者は経営者である。
それも森松工業という社員2600名、年商450億円企業の社長である。人数も年商も中小企業というよりは大企業だと思う。工場は世界各国にある。
かなり年配なのだが、ITやインターネット技術をフル活用した経営をしているので驚かされた。出社日数が少ないことによる経費削減や合理化メリットが遥かに多いのでさらに驚かされた。

Webカメラ活用で1カ月の出張がわずか30分とのことだ。それも喫茶店で仕事ができてしまう。冷暖房や電気代の節約だけでなく、快適な環境で仕事ができるというのもメリットがあるようだ。別に近所の喫茶店で無くてもネットが繋がれば海外のリゾート地でも船でも良いのかもしれない。何かあった時にすぐに駆けつけることはできないが。

かつてフォードが電話機の前に座り、指示と報告を電話で済ますという話があった。経営者は戦略の立案に徹し、電話一本で専門家に確認し、指示を出すのに徹するという内容だった。

月に3日の出社でむしろ効率的に経営ができているのであるから、他の会社にも当てはめることができるかもしれない。もっとも多くの中小企業の社長は、社長自ら営業し、技術開発し、銀行の対応をしているプレイングマネージャーだと思うが。

Comments