›7 02, 2010

一流の人たちがやっているシンプルな習慣|秋元征紘

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筆者の秋元征紘氏と世界のトップ経営者、アスリートの人生観が味わえる一冊だ。
マイケル・ジョーダンのようなトップ・アスリートでも試合に立つときは、極度のプレッシャーを感じ、自分を奮い立たせ試合に集中する。天才かと思っていた人も、地道な努力と物事に対する見方や考え方が違うだけで、誰にでも可能性があるのだなと思った。

筆者の秋元征紘氏は日本精工に就職し典型的な日本企業で順調な出世コースを歩むもののどうしても社会主義的な日本の企業雰囲気に馴染めず退職する。35歳で起業しベンチャー企業を起こすが、わずか1年で資金繰りに行きつまってしまう。債務を負い家も土地も失って丸裸になったようだが、そこからアルバイトとして這い上がり、外資系企業の重役や社長といったポストを次々に受けるようになっていった。

秋元征紘氏の文章はネットや書籍で色々読んだが、とてもポジティブな性格なようでそれが成功の源な気がする。読んでいて気持ち良い。その性格からなのか、起業した会社を潰したことを話すと「君は面白いな」といって会社に誘われたそうだ。
外資系に向いている性格があるのかもしれないが、これなんかはアメリカ人のノリのように思えた。

失敗を烙印とせずに、挑戦者と見なし評価する

日本ではあまり馴染みは無い。会社を潰した経営者で落ち込まない人なんていないだろうし、会社を潰した人を評価する人なんて考えられない。でも見方を変えると、そのような経験というのは貴重で評価できる点も多々あるはずだ。平凡なサラリーマンより、波乱万丈で失敗した人の方が大きな成功の可能性は大きいと思う。失敗の経験だって役立つことは沢山あるのだ。

「社長失格」という本を読んだ時も、倒産時の債権集会の場で、社員から侮辱的な眼差しを向けられたシーンというのがとても印象に残った。その他方、米国の事業所の社員からは潰れたものの「よくここまでやった」、「よくがんばった」と励ましの言葉が多かったというのもまた強烈なインパクトとして残っている。

話がそれてしまったが、秋元征紘氏の文面から表れるその性格と考え方がとても印象的であった。プレッシャーや過度の緊張が強いられる事業の立上や経営といったポジションを、これほど面白い仕事は無いと言いきってしまう。それは人生観だが、辛いと感じるか、幸福と感じるか、人によって捉えかたがずいぶん違うのだなと思った。もちろんポジティブに捉えられる方が人生がより豊かだろう。


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