›5 26, 2010

開業率向上には何が必要か

Category: アントレ(起業) / 0 Comments: Post / View

開業というより起業(スタートアップ)と言った方が分かりやすいが、起業には大きなリスクが大きく、リターンが小さいことが開業率が低いことの本質だろう。
経済学者などは開業率を上げるためには、国内経済の成長が必要だとか直接金融やエンジェルなどの資金供給が必要だとか失敗した者を受け入れる社会環境の構築だとか言っているが、実際の起業家(中小企業経営者)はどう思っているのか。

中小企業白書では毎年この開業について書かれているが、アンケートでは「事業失敗時の生活へのリスクが高い」というのがダントツである。そしてその原因は日本独特の個人補償を金の貸し手が求める制度にある。日本の商慣行では客からの入金が手形など時間がかかることが多く運転資金需要が発生してしまう。そのため現金を多く持たないとなかなかビジネスができないことが多いが、企業が成長しても資金需要が大きくなっていく一方で会社は成長しているのだけど借金も莫大になるなんていうことが多い。そして銀行にしてもベンチャーキャピタルにしても、融資でも投資でも個人補償を求めるケースが圧倒的に多いのが現状だ。さらに担保も必要になってきたりする。

これが事業失敗時の生活リスクだ。つまり会社が潰れると、個人の財産が無くなってしまいそれでも返済できないので自己破産をし、同時に収入の途切れてしまう。日本以外の先進国ではこのようなことは無く、事業の失敗リスクを個人が負うことが無いのが一般的だ。ここを解消できればリスクを大きく減らすことができ、起業の足かせもだいぶ無くなると思うのだが。

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