›12 20, 2009

ホントは教えたくない資産運用のカラクリ

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商売の基本は「安く仕入れて高く売る」ことである。利益を出すにはそれしかないだろう。ところが、物価が下がり続けている現在においては、「高く仕入れて安くしか売れない」状態である。これがデフレの恐ろしいところなんですねー。

さて、資産運用においても利益が出たら税金を取られるが損失は税金還付ができないということと、証券会社や銀行への手数料は赤字でも戻ってこないというのが、運用成績に一番効いてくるということが実はあまり指摘されていない。

「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ」シリーズは、タイトルは怪しいが税効果や手数料、裁定取引、さらには金融理論もわかりやすく説明する資産運用の実践書である。
橘玲のシリーズ書(元々はゴミ投資家シリーズ)に見られる思想とも似ている。リバータリアリズム(自由主義)が根本にある。

開いて最初にある文字は「恒産なくして恒心なし」
◆国や会社がつぶれても、自主独立の精神で自分の運命を切り開くべし
◆嫌な仕事はしない。会社のために働かない。誰の奴隷にもならない経済的自由を確立すべし

安間伸という筆者はかなりのマニアだ。

投資と税金篇では税金と手数料をいかに減らし、投資信託などの商品で買ってはいけない商品について説明されている。

タブーとリスク篇では、結構テクニカルというか金融理論が説明されている。低成長時代においての投資はロング(現物保持)だけでは無くショート(空売り)を組み合わせるのが大切であり、もっと理論をつきつめると「ベータを殺してアルファを取る」という戦略になる。これの言葉の意味がわかればモダン・ポートフォリオ理論と現実のギャップが埋められるだろう。

「錬金術入門」篇はアーブ(裁定低取引)が中心だ。法律上、税金上の歪みから金儲けができるという話だ。

FXやETFの登場で投資によって人生大きく差がでるようになったと思う。プロの投資家は市場平均(ベータ)を上回れば良いかもしれないが、個人投資家は絶対利益を求める必要がある。プロが取れない戦略も取れるのが強みだ。
冬休みに資産運用について来年の戦略を練ろうかと思う。



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