›10 12, 2009

成長の限界 人類の選択

Category: 書評 / 0 Comments: Post / View

子供のころTVで映るアフリカの子は蠅が顔についても気にさえしていなかった。お腹だけぽっこり出ているが栄養失調。何故アフリカ人はこんな悲惨な環境なのに子供を産むのだろう。

あれから30年近く経ったが状況は変わっていない。アフリカでは食糧生産は増えたが人口はもっと増えた。エイズが蔓延し、先進国との貧富の差はさらに開いている。

子供の頃思ったかことが今でも変わらないのは驚きだ。そして今思うこと。地球は、人類は存続可能なのか?

もしかしたら誰しも思っているかもしれない。過去の経済成長はあり得ない。地球の資源は枯渇し、破壊されまくる。アメリカ人の多くはキリスト教信仰者で、地球は神に与えられたものだから浪費しようが破壊しようが構わないと思っているのかもしれないが。

民主党の前原氏もこの前TVで何度も「持続可能な日本」ということを言っていた。既にこのままでは持続可能ではないということだ。

「成長の限界」。この本を知ったのは、資源やコモデティ投資のデータとして取り上げられていたからだ。過去の様々なデータがグラフとなって載っている。そしてそれ以上にすごいのが21世紀これからのシュミレーショングラフを様々なシナリオでコンピュータを駆使してつくられていることだ。

当たり前だが、2010年までは世界のあらゆる生産性が劇的に指数関数的に向上した。人口も増加したがそれ以上に経済が拡大した。
このグラフは世界の投資家が何を投資して設けたかがわかる。
そして劇的に減少しているものもある。

世界の資源だ。そして環境が破壊されている。悲観的なシナリオが現実化する可能性が非常に高い。

これからの時代は、自分たち、自分の子孫達に経済成長なんて期待できない。地球の環境は悪化し、これまで日本がたどった時代を逆流するのではないかと思う。戦後60年経ったが、もっと速いペースで戦前までの環境に戻ってしまうのではないか。

世界規模でも地球は資源消費と排出で重大な限界に直面している。
地球の供給源と吸収源に関わるコストが増大しているからだ。

「成長の限界」では、最新のデータをもとに、2100年までに人類と地球環境が、どのように変化するかという「シナリオ」を複数掲載している。これをいかに読み取るかで人生が変わるだろう。データブックのように見えるかもしれないがかなりの衝撃だった。



Comments