›10 05, 2009

トリクルダウン・エフェクト

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

トリクルダウン理論(trickle-down theory)とは、富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)するという経済理論である。。「金持ちを儲けさせれば貧乏人もおこぼれに与れる」ということから、「おこぼれ経済」とも通称される。(Wikipediaより)

米国レーガノミクスでのサプライサイド経済学の代表的な主張であり、ブッシュ政権もずいぶんと促進した。世界的に累進課税からフラットタックスに移りつつあった流れも根底にはこのトリクルダウン・エフェクトがあっただろう。

金持ちを優遇する政策だとずいぶんと批判もされた。実際に米国ではCEOよりもその秘書の方が税金を多く払っていたなんてこともあったようだ。

この経済理論が正しいのかは賛否両論あるが、ある国が金持ちの税率を下げたら金持ちはその国に行ってしまうというのがグローバル社会だ。国籍を変えるのではなく、税率の低い国に居住して税金を安くするというのは企業も富裕層の個人にとっても魅力的だ。
そうなると累進課税や税率や社会保障料が高い国から富が出て行ってしまうことになるという大問題がある。

さらなる悪影響としては経済におけるビルト・イン・スタビライザー機能を撤廃してしまうことにより景気の波にレ バレッジがかかってしまうことである。
例えば、景気が上がると所得が増えるが累進課税によって所得の増加で税率が増えるため可処分所得はそれほどは増えず景気が抑制される。景気悪化時には失業対策など社会保障や財政出動を行う。トリクルダウン・エフェクトではそのような景気の調整機能を無くしてしまうことによって貧富の差が拡大し、景気の波が激しくなってしまう。

例えるなら、外資系金融機関で高収入で来年クビを切られるかビクビクして働くのと、地味な日本の製造業の正社員で労働組合が強く低賃金だが定年まで失業の心配しないで働くのか、といったところだろうか。後者は今の時代では会社が潰れないかのほうがよっぽど心配というのもあるが。。


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