›9 24, 2009

グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業

Category: 書評 / 0 Comments: Post / View

元NTTドコモの夏野氏の書籍だ。彼はiモードを企画したチームの1人であるが、彼に対する評価は様々だ。
書籍「iモード事件」はiモードができるまでの物語で、ドコモに集められた異色のメンバーが、同じくiモードを立ち上げるためにドコモが雇ったコンサルティング会社マッキンゼーとの対立が描かれている。
夏野氏はドコモに入るまでインターネットベンチャーで倒産したハイパーネットの役員をやっていた。
ところが倒産間際に辞めてしまい、iモード企画会議でもマッキンゼー社員から散々バカにされたことが「iモード事件」には書かれていた。

読んだとき、日本では潰れた会社の人間はたとえMBA取得者だろうが評価が地に落ちるのだなと思ったものだ。

そんな夏野氏もiモード成功の立役者として以前はかなり注目され、「iモード・ストラテジー」という書籍も売れ評価も高かったのだがあっという間に他のキャリアも同じサービスをして今ではiモードなんて死後のようになってしまっている。その後、夏野氏はドコモを退職しネットベンチャーのドワンゴ(一部上場だからベンチャーではないか?)の常勤顧問に就任した。

そんな彼が今度はネットベンチャーのグリーの社外役員になるという。

彼の最新書「グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 」はタイトルのとおり、現在のネットベンチャー企業のあり方やネット以前の世代(ビジネスにネットが無かった時代の世代)を批判している。

確かに現在の日本のネットベンチャーはグーグルに依存している。グーグルの広告代理システムによる広告収入がほとんどの会社が実に多い。
ネットで集客し広告収入に頼っているビジネスモデルだ。
最近では小売・流通業界もようやく販売チャネルとしてネットを活用しだしてきているが、新規性が無い。
思えば日本でネットで新規性のあるビジネスモデルを打ち出した会社は皆無ではなかろうか。

しかし夏野氏にしても、iモードの発想はビル・ゲイツの書物にある携帯型端末がサイフや情報端末になるというアイデアを参考にしているし、その後のドワンゴはニワンゴのニコニコ動画はYoutubeの日本型応用だし、グリーにいたっては米国で流行ったSNSを真似、その後DeNAのモバゲーのような無料ゲームサービスとして高収益企業となったという点で新規性はどうかと思う。

タイトルにバカ企業とまで書いているが、日本の企業はイノベーション型では無くトヨタのようなカイゼン型、改良型なのだからそれはそれで良いのかなと思う。



Comments