悲惨、惨め、哀れ。筆者の金森氏の過去はそう思ってしまう。
田舎から大学入学のため上京してすぐに騙されてしまう。東大入学後も田舎モンのため同級生と馴染めず、卒業後はフリーター。先物取引で騙され多額の借金を背負ってしまう。借金の金利だけでサラリーマンの年収ほどの額に達する。
そんな絶望的な状況からの再起の物語だ。
精神的にも金銭的にも追い詰められた状況から地道に自己啓発に努め、資格をしこしこ取り行政書士として起業。稼げないのが当たり前の業種にもかかわらず自己啓発で学習した中小企業診断士などの知識を活かし大ヒットする。
さらに不動産投資などで成功し、借金返済をしてしまう。
深く考えさせられた書物だ。東大法学部に入学するほどの学校教育を受けているにもかかわらず簡単に騙され、金融知識が無いため先物投機で大失敗をするというのはいかに学校で学ぶ知識が金儲けや生きる上で役に立たないことがわかる。
社会人になってからのビジネスに関連した資格試験や自己啓発というものの重要性もわかる。
簡単に借金地獄にもなるし金持ちにもなれるんだ。
また、ヤクザのような借金取りに追い詰められ精神が疲弊していく状況も普通じゃ味わえない。そのような状況から脱出しようと地道な努力をする意思も参考になる。
平凡な人生では無い。アップダウンの連続だが豊かな人生だと思った。