›7 19, 2009

成功の法則92ヶ条|三木谷の真実

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楽天の三木谷によるビジネス本である。これまで楽天については様々な書物が出ているが、やはり創業者であり経営者である三木谷本人によって書かれた本を読むことによって楽天の経営について深く知ることができる。

米国シリコンバレーのような企業家、例えばアップルのスティーブ・ジョブスやグーグルをはじめとするベンチャー企業経営者のイメージと三木谷はまったく異なることがわかる。

楽天はソフトの会社でもITの会社でも無いのだと思う。それなのにネットベンチャーのカテゴリーに入れられるが、よりリアルに例えるならば大阪商人がネットの世界で活躍してビジネスを展開しているといった感じに思える。

楽天はこれまでITをベースに革新的なことを最初にやったことは無い。ECショップにしても後発で、それがビジネス力でITオタク(マニア)の会社を駆逐していった。

そのようなところが三木谷の強さであり、楽天の強さであると言える。また、楽天を企業に例えるならトヨタと光通信を足して10で割った感じだろうか。トヨタもまた米国車や欧州車の良いところをひたすら真似て、改善を繰り返して品質の良い車をつくり、生産性を上げてきた。そして光通信は徹底した営業力がある。
もちろん楽天には両者のそれぞれの強みほどは無いが、ネット企業の中で群を抜いてそれらの強みがある。

三木谷自身の本により、メディアでの知的なイメージよりも商売人としての泥臭く地道な努力を重要視していることがわかる。そんなことからか、楽天に入社するITオタクはイメージとの違いに驚くのかもしれないが。

ところで、この本で三木谷は日本の新聞に対して批判しており、Financial Timesを読んでいるというのに驚いた。ちなみに日本のサラリーマンは誰でも読んでいる日経新聞は読まないとしょうがないが、それは他に代替品が無いからだと思う。
日経新聞の企業ニュースの半分以上は企業のIRをそのまま載せているだけで、今の時代は日経新聞より早くTDNETで読むことができる。
残りのわずかにリーク情報があり、以外にこれが重要だから困る。
企業はIR以外にリークを流すのはコンプライアインス違反だしインサイダー情報だからだ。

話が逸れたが、三木谷に対して好き嫌いが非常に激しく分かれるが、時代の寵児であることは間違いない。最近は三木谷バッシングも多いようで大変そうだなぁと思う。



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