›6 11, 2009

バランスシート不況

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

バランスシート不況とは、リチャード・クーが提唱している企業経営の本質の変化を原因とする不況で、時価資産の減少を主眼としており現在の不況原因の納得いく理論だと思う。

株価や不動産価格の下落により、時価評価で資産価値の減少がおこることによって、負債が資産を上回りバランスシートが債務超過となる現象が発生する。

利潤の最大化から債務の最小化を優先した経営を行う。

低金利の状況下でも企業は借金を返済することにより、銀行は貸出総量が減るので金融緩和政策が有効に機能しない。
企業のバランスシートが改善されるまで、企業は利潤追及を行わないため設備投資が行われず余剰な雇用もリストラを実施し、新たな製品も出ないことから消費が抑圧され経済が低迷する。これにより資産価値も上がらないという悪循環を及ぼす。

氏によると、このような状況下では財政政策における公共投資が有効としている。今までの経済学ではバランスシート不況をよく説明も理解もされないため、実施が遅れる危険性も指摘している。

財政政策と金融政策についてはこちらを参照いただき、氏の有効と考える公共事業が果たして不況を打開できる策かよく考えてみることをお勧めする。
財政・金融政策


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