›2 13, 2009

景気の波支持者、構造転換期支持者|Cyclists versus Structuralists

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

今回の100年に一度とも言われる不況に対し、景気の波が底に来ているだけという考え方と資本主義社会の構造的な問題という考え方がある。
マスコミの論調も両方があり、日本では比較的後者について多く議論されている気がする。

景気の波支持者(Cyclists)と構造転換期支持者(Structuralists)という形でワシントンポストに記事が出ていたので、改めて両方の立場で考え込んだ次第である。

景気は確かに周期があるのは過去の歴史の通りである。今回の不況に対しても底まで下がったらまた上がる。しかし長期的には資本主義の構造的な問題が多くあるため資本主義経済の前提である、長期的発展というのはもはや望めないかもしれない。

景気が波であるというは需要と供給のバランスでかつては決まっていた。その要因が原材料高であったり戦争であったり気象的な問題であったりと様々ではあるが。

需要が増えれば生産量を上げ、やがて生産量が上回る。そうなると生産物の価格が下がるため消費が上がるのだが、消費者は貯蓄という選択も行う。
つまり生産 = 消費では無い!

ケインズ経済学において、不景気になると景気刺激策を打ち出し財政出動するのは生産量を満たす消費をつくりだす必要があると見ることができる。

このようにして現在の経済学では不景気に対しては景気刺激策という手法で対策を取るのだが、問題はインフレや赤字の将来の世代への先送りという問題がある。
本来は好景気の時には、税金を増やして不景気時の対策費用を徴収しないといけないのだが、グローバル経済においては税収を増やすと他の国に生産も消費者も逃げるという問題がある。

さて、今回の不況の対策としてはやはり景気刺激策によるインフレと財政赤字の拡大が懸念される。また保護主義も台頭し、さらには米国主導の規制(例えば環境問題)が何らかの形で行われるのではないか?

構造的な問題は過去の不景気の際にも問題になっているようであるが、何度も世界はその後経済成長を遂げた。今回も人間の英知によって解決できるのかもしれない。

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