›2 12, 2009

さらばアメリカ|大前研一

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大前研一の新書「さらばアメリカ」はすごいタイトルである。
もうアメリカは世界の主導者でも目標でも無い。

若い人にとってみればアメリカに対してそれほど憧れは無いが、大前氏のような戦後団塊の世代の人たちにとってみたらアメリカは憧れの対象であった。自分の年代から見ると戦争で民間人に対して皆殺しにするような空爆や原爆投下をしている国に対してよくそんなに羨望できるなと思うのだが。

戦後アメリカから流れてくる商品、そしてテレビの映像というのはすごいインパクトだったのだろう。敗戦国で貧民だった日本国民にとって、アメリカの大きい家に車に家電にアメリカンドリームや自由恋愛というか、労働よりも遊び中心のようなライフスタイルがテレビドラマで大量に流されたら、やはりそうなるのだろう。

実際には、テレビドラマや映画の世界というのは現実の世界では無くて、やはりアメリカ人にとっても憧れの世界なのだが。

このように世界を魅了する戦略というは、移民を集めるためにも、マネーを集めるためにも重要な役割だったのだと思う。現にアメリカのパワーはそこに集約されている気がする。

それが経済においても企業経営においても戦争においても破綻に至りつつある。オバマ政権で変わるか?オバマのスピーチは他の国のトップではできない夢があり、魅了させられたことは事実だ。

もう破綻寸前のアメリカだが、まだ日本よりは夢が残っているようにも感じるのだが。


さらばアメリカ

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