›12 02, 2008

リーマン・ショックに続く大ショック

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

米国ではFRBが150兆円、欧州ではECBが100兆円を注いでいるが、マネーが十分に供給されない。昨年までの過剰流動性が見られた減少からほど遠い。
本来はマネー増刷のため、過剰流動性からハイパーインフレになる勢いを感じる。

米国においてはクレジットカード会社の破たんが懸念されている。クレジットカードは主に個人の借金であり、担保、支払い能力というのは本来であればサラリーによるのだが、失業率の上昇、家計の他の借金の返済(米国人は過剰な消費を好む)からクレジットカードのローン返済が滞るのではないかと懸念されている。

リセッション(景気停滞)から金融恐慌へとシフトしつつある状況で、恐らく現実にクレジットカード・ローンの不良債権が山積みになっていくのではないかと思う。カード返済遅延率は倍増して10%程までになっている。

その額は金融機関のサブプライムローン問題における不良債権の総額を超えるかもしれないという大げさな予測も出ている。

欧米人のクレジット依存率は、日本とは比べ物にならないほど大きい。

リーマン・ショック以降、日本の代表的株屋である野村がリーマンを引き継ぎ、三菱東京UFJがモルスタを買ったが、買ったもののお荷物(不良債権)は予想以上に大きく、期待していた宝物(投資銀行業務市場)というのはもう無くなってしまっていた、などということになるのではないか心配だ。

リーマンも米国政府には救済されず、ユダヤ系であるがために中東マネーも入らず、イギリス系バークレイズには中東マネーは入るというようなことからも金融経済面だけでなく、これまでネオコンなど支配者層であったユダヤ系にも変化が見られているのかもしれない。

金融以外でも自動車業界ビックスリーが生き残れるかどうかという瀬戸際に来ている。自動車がこのまま売れ続けるとはとても思えない経済状況が続くと考えられる。救済しても毎年赤字が積み上がるのではないかと懸念されている。それならばいっそ一度潰してしまえという米国議会の声もあるようだ。潰してしまえば再生はゼロからできる。ややこしい労働組合や賃金保証、退職金交渉も楽になるという考えだ。

成長してバカでかくなってしまった企業というのは福利厚生や賃金などを手厚くしてしまったために競争力が無くなってしまっているという典型なのだと思う。このようなレガシー(遺産)を抱えている企業の資金繰りのために資本を注入しても再生はできないという意見が多い。
現にビッグスリーの製造コストはレガシーコストのため日本車よりも高い。一説には1台あたり20万円程高いそうだ。そして研究開発費に充てられる資金が少ないことから、今後課題となっている低燃費自動車、電気自動車、ハイブリッド、燃料電池分野でもはや日本自動車メーカーと比べて競争力が無いと考えられている。

このようなことから、リーマンショックに続くビッグスリーの1社のショックが考えられるので十分に警戒しないといけないと思う。

このような巨大産業を潰さずにしても、問題を先送りにするだけであり、モラルハザードから次に潰れるべき産業である住宅・不動産関連、石油関連も次々と救済しないといけない状況になり救済と破綻の政府が線引きをするのが非常に難しくなる。

財政赤字と問題の先送りが負の遺産として圧し掛かり、ドルの価値は暴落し、米国はアラスカやハワイを売らないと資金調達ができないか、武力行使などということも過去の歴史を見る限り絶対に無いとは言い切れないのではないだろうか。

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