›10 23, 2008

REITのLTV

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LTVとはLoan To Valueのことで、総資産有利子負債比率のことである。LはLeverage(レバレッジ)かと思っていた(意味は同じだから)。
収益の成長が期待できる成長局面では、有利子の比率を上げレバレッジを効かせるのが常だが、現在のような不景気においてはREITで潰れるところも出てくるほどなので、LTV値が低くして堅実な経営をしているところが強い。

現にLTVが低いところが、調達金利が低いようだ。つまり有利子負債でレバレッジをかけているところほど今のような経済の悪い環境では信用が無くなる。損失はレバレッジの分だけ膨らむのだから。

さて、REITでも倒産企業が出ており、不動産関連においては流動化、デベロッパーと多数の倒産企業が出ており、その影響は不動産関連、建築関連、そして貸し手の金融機関へと広がった。

日本のメガバンクは比較的体力があり、また日本のバブル崩壊で大きな痛手を被ったため、今回のサブプライムローン問題の影響は浅いというのは理解できる。ただ、ファンドに運営されている新しい銀行や買収された銀行、それから比較的歴史の浅い新興金融企業、もともと体力の無い金融機関というのはこの数年間は米国の投資銀行のようなハイリスク案件に積極的に手を出している。本来ならデューデリジェンスの段階で通らないような案件も、審査が甘かったという話は多いようだ。

日本の金融機関でのサブプライム及びその影響における損失というのは、実は今後出てくるのではないかと思う。今はまだ生き延びているところも、バランスシートがどれだけ毀損されているかは、日本の会計基準ではまだ十分積極的に出されてはいない状況なのでは無いかと思う。

傷が浅かった日本と言われているが、まだ傷が見えていないだけという金融機関も多いのではなかろうか。

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