›10 23, 2008

東証プロ向け新市場(J-AIM)

以前から注目している東証のプロ向け新興新市場について、創設試案が発表されている。
新市場はロンドンのAIMの日本版として、AIMの特徴であるNomad制度などが引き継がれ、厳しくなった日本の新興市場への上場への敷居を低くするのが目的なのかと思う。

特徴として、
・Nomadという主幹事証券会社に該当するアドバイザーが必要。
・会計基準は日本基準、国際会計基準、米国基準が認められる。
・上場前の公認会計士の監査は直前期のみ。
・内部統制報告書(J-Sox)が不要。
・決算開示に四半期報告は任意。
・業績予想の開示は取引所は要請しない。

こうしてみると、日本の新興市場ができた頃の基準、つまり監査期間が短い、J-Sox不要、開示も限定という甘い基準が公開を目指すベンチャー企業にとって魅力だと思う。現状、投資家保護のために厳しくなった基準、それに付随して莫大な費用がかかるようになった監査費用、内部人員費用のために上場を断念した企業が多い。そしてそれが新興市場の時価総額低迷へと悪い循環となっている。

更に追い打ちをかけるように、サブプライムローンを発端とした米国金融不安から実体経済への
影響も出ており、新興市場の業績不振が相次ぎ、不動産業界では資金繰りがつかない黒字倒産も出ている。時価総額が5億円を割っている企業も多くあり、上場廃止基準に引っかかってくるもののこのような状況では投資家も買うことができない状況だ。

J-AIMの企業の公開の敷居の低さは魅力ではあるであろうが、市場の参加して投資をするプレイヤーが出てくるのか。プロ向けとしているが、新興市場を買わないプロがさらに基準の甘い新市場の株を買うのかという疑問もある。

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