›8 08, 2008

経済財政白書2008

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

副題を「リスクに立ち向かう日本経済」としているように、本文中にもリスクという言葉が頻繁に出てくる。

「読売新聞の社説」では思いっきり叩かれていた。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080722-OYT1T00817.htm
白書が国民にリスクを取れというのは確かにおかしな主張だと思うのだが。白書はあくまでもデータを示すものでデータ分析は読者の判断だと思う。

経財白書では、日本経済は現在世界のサブプライムローン問題を端に発した金融混乱の影響下で「踊り場」であり、

海外発のショックに脆弱

世界的な資金フロー変化の図があるのだが、わかりやすく、世界の金融フローの解説もよくできている。世界の貯蓄過剰の背景、新興国がアメリカの経常収支赤字をファイナンスしているのも浮き彫りとなっている。

アメリカは対外純債務を焼く300兆円も抱えながら、自国に低コストで借り入れた資金を、高収益の海外資産で運用することによって所得収支を黒字としている。
これを英米のマネーは海外で高利回りで運用する「投資型」で、日本は海外への「貯蓄型」と表現している。

日本のサブプライムローン問題以降の株価下落はアメリカより遥かに大きい。日本の株式市場は外国人投資家比率が3割近く、売買は6割を占めている。
日本の市場が売買高が小さく、厚みがないことが外国人投資家の売りの影響を大きく受けたということだ。

経財白書では、日本人の低リターンの資金運用(貯蓄)では、高齢化社会では老後生活できないような書き方をしているのだが、それが保守的な運用しかしてこない一般的日本人には読売新聞社説のように違和感や憤りを感じるのだろう。真っ当なことが書かれていると思うのだが、白書にしては主張が強かったか。

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