›4 07, 2008

成熟期企業の事業継続戦略

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

企業も人の人生と同じように誕生があり、死(倒産)がある。そのスパンが短いものも長いものもあることが違うくらいだ。

創業期を生き残る企業はほんの一部であり、多くが資金調達さえ出来ずに死を迎える。活動資金が調達できても、その後の顧客獲得、製品開発が失敗するか、それ以前に運転資金が不足し死を迎えるところがほとんどだ。
そこを生き残ると発展期であり、売上拡大期においても資金が不足しやすい。それは売上が立っても支払される時期が遅いからだ。先に支払や社内経費出費が増えて運転資金が不足しやすい。
また競合の参入や製品の衰退といった問題をクリアし続けていかなければならない。

その後更に発展させるため、資金を調達するためなどで上場という選択がある。

上場企業において成熟期に入り伸び悩んでいる企業を想定すると、MBOやM&A対象という選択肢となってくる。もしくはその企業の置かれた環境(市場)自体の成熟期となると企業の再編が行われる。

薄型テレビ業界というのは、急速に伸びている成長産業だが、参加企業は利益が出ないため早くも成熟産業における再編と同じ現象となっている。過当競争のためコストダウンが激しく(これは半導体でも同じだが)、再編によって競争数を減らすという軍事的な同盟戦略と同じような戦術が取られている。
プラズマではパイオニアがパネル生産から撤退、液晶でも同盟が進んでいる。

その一方であまり報道されないが、部材メーカー、装置メーカーの状況が芳しくないようだ。最終製品を組み立てるセットメーカーと比べ非常に利益率が高い部材メーカー、装置メーカーだが規模が小さい(ニッチな)メーカーは悲鳴を上げている。

それは規模が小さいと経営環境の変化に対応する力が弱いからだ。一番問題なのは運転資金であり、潤沢な蓄えが無いと、一時的な再編による不況を乗り越えられない。また不況の波も余剰人員が正社員比率が大企業よりも高く、柔軟な対応ができない。売り先が一部の企業に偏っているため他の収益源が少ない。

特にFPD業界というのは再編とコストダウン、更には円高の影響でこれまでは良かったが体力の無い(資金の少ない)中小企業、ベンチャー企業がバタバタと倒れ始めている。

これを生き残ると、競争相手が少なくなって更に発展できるチャンスでもあるのだが。

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