10年先まで考えている経営者がどれくらいいるだろうか?
5年先といった中期計画さえ具体的にイメージできない経営者がほとんどではなかろうか。
経済も、国家の動きの変化が激しい時代のため、なかなか先が見通せないの実情だと思う。
一昨年は好景気でうかれ、それがしばらく続くという論調だった。それがサブプライムローン問題と米国の景気低迷感から急に将来を不安視するようになった。
未来を予知する事はなかなか難しく、経済新聞の日々のニュースや論調に流されてしまう人がほとんどなんだろう。
日々の業界の再編や新興国の台頭だとか為替の変動からいかに自社が対応するかという、足元の調整に精一杯な感じも強い。
中小企業では尚更で、日々の運転資金や主要顧客の動向、社内の調整でとても将来のことなどイメージできないという経営者も多いと思う。大企業の経営者には自分の任期中の経営成績しか頭に無い者もいる。
だが、そのようなことでは経営者は失格だと思う。
企業は永続的に発展させることを前提とした、日々の業務があるという観点がやはり基本だと思う。それは、特に製造業の設備投資を見ていると痛感させられる。
設備投資は多大な費用を必要とするもので、どこまで思い切ったことができるか、早く決断できるかが重要である。それには、競争企業がついてくれないほどの規模とスピードが要求される。
中途半端に設備投資をした液晶パネルメーカーは撤退となった。松下は「破壊と創造」と呼ばれるほどの大胆なリストラクチャリングで、液晶をほぼ撤退し、プラズマに集中投下し世界一となった。
シャープも町田前社長が「テレビは液晶しかつくらない」といち早く投資決断したことによって安物家電と言われたシャープが液晶のシャープ、携帯電話のシャープと呼ばれるほどまでになった。
経営者の決断が将来を左右する。そしてその決断は長期的なものでなければならない。
非常に難しいことだ。