›3 19, 2008

オーベン(旧アイ・シー・エフ)上場廃止

Category: アントレ(起業) / 0 Comments: Post / View

何度か書いたが、フロント企業のおもちゃと化したオーベンがいよいよ上場廃止と報道された。
すでに上場時のビジネスモデルは崩壊し、一般投資家から金を巻き上げる株券印刷会社となり魑魅魍魎の人物の出入りする企業となっていた訳だが、かつて上場廃止宣告された新興ネット企業同様に今後生きる術があるのか疑わしい。

新興市場が岐路に立たされていると言っても過言では無いだろう。

一部のこうした企業の影で、早期に上場したおかげで資金調達に成功し、知名度が向上し成功した企業も存在する。
そのような成功例はあまり意識されず、投資家保護の観点から新興市場全体に対する懐疑的な雰囲気が広がってしまった。

これによって被害を被るのは、上場を目指すベンチャー企業だ。もっと言えば、ベンチャーの育たない風土になり国力が落ちる可能性さえあると思う。

上場に値しない企業を見抜く能力というのは非常に難しい。証券取引所に審査能力が無く、証券会社に丸投げしていたのは問題ではあった。

但し、審査の厳重化というのがまともなベンチャー企業にも重くのしかかっている点もまた問題だ。

審査の厳重化が形式的な厳重化に思えてならない。

以前の軽い審査の時には、
監査法人の監査はバックデート可能で、上場準備期間がそれこそ半年でも良かった。
内部統制や反社会勢力排除という概念が薄かった。
J-SOXはそもそも無かった。
上場後のMSCBやインサイダー取引なども規制されていなかった。

それは問題ではあったが、
監査期間2年以上、
監査報酬は無料に近かったのが年間1千万近い、
内部統制のチェック体制、
J-SOX法、
と費用と労力が莫大に増加し、また新興市場で株価が低迷している状態でとても上場しようと思えない状態になってしまった。

自分が思う改善策としては、
上場に値しない企業は排除宣告(明確な定義づけは難しいだろうし、その企業の株主は保護されないという問題はあるが)することに留め、上場の敷居を上げるべきでは無いと考える。

上場時の目論見書等による情報開示はしっかりやるべきだし、監査もきちんとやるべきであるが、今は監査法人も責任を感じてしっかりやっているし、一般投資家も目論見書をちゃんと見て企業の内容を調べるようになってきているのだから。

新興市場に上場しているベンチャーで成長段階であるにもかかわらず、所持している現金よりも時価総額が低い企業が存在するのは明らかに市場の存在価値が無い。

未公開企業を買うよりも安いだろうし、それこそ魑魅魍魎な輩に株を買い占められるような危険性さえ感じる。

Comments