実はこの本の題材にもなったファイナンスの講座に1回だけ出たことがある。実践的で具体的な事例をベースに説明されていて結構ためになった。講座はファイナンスのまったくの初心者はいないようで、M&A担当者や証券会社勤務の人が多かったようだ。
バリュー株の株式投資で有名な某事務所の人も参加していたのだが、訳分からない質問をして失笑されていたのを思い出した。
そっちのバリュー株の投資のセミナーというのは数十万するらしい内容なのだが、やる内容はファイナンス入門(DCFによる価値算定)がメインで、インデックスや投資信託の買い方はやらないとのこと。アセット・アロケーションも知らないようで、株の投資ブームの中でファイナンスによる理論株価を出す方法とバフェットブームが受けたのでしょうな。
まあ、レベルが違う感じでした。この本の元のファイナンス講座は値段も安く、内容は実践的でかなり良い内容だった。
株の投資という趣旨では無い内容で、ベンチャー企業の資金調達からM&A、アドバイザリー業務の内容までわかって非常に内容が濃い感じだった。
最近では、企業の財務担当者のレベルも上がってきている事を感じる。MBA取得者が増えたおかげか、外資系金融機関が国内に入ってきてかきまわしているおかげか、スティールパートナーズのような敵対的買収前提の株取得の恐怖のおかげなんだか。
他方で、ファイナンスをまったくわかっていない上場企業も多数存在する。既存株主価値を既存する資金調達や銀行借入を増資で返したり、フロント企業に入り込まれたりと。
この本は恐らくベンチャー企業から大企業の財務部の新人~中堅まで幅広く読まれるだろう。
読みやすいので。
最もこれくらいの内容はプロだったら本当は知らなかったおかしいし、最近は専門書も多く出てきているのだが。
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