原油など輸入価格急上昇、所得の海外流出最大
原油など輸入価格が急上昇している一方、輸出価格の上昇は小幅にとどまり、貿易を通じた所得の流出が拡大している。流出額は海外資産からの収益を上回った。これまで日本は海外からの利子・配当収入により国内経済活動で稼ぐ以上の所得があったが、海外への所得流出で実質的に国民の所得が目減りしている。
(日経新聞より)
輸入する資源の価格高騰、円高により製造業が大打撃を受けている。日本の製造業の強みは輸入した資源を加工して付加価値を付けて輸出販売することにある。これは日本の強みでもあり、これ以外に外貨を稼ぐ能力がほとんど無い。
(他国でも日本のように資源の無い国はあるが、シンガポールのような小国は金融、ITを駆使しているが、日本はなまじ人口が多い大国でありそのような産業政策を取れていない。)
記事が示すように、日本の製造業が付加価値を付けられなくなっており、これは新興国の製造業の追い上げや付加価値の向上があることを示している。
日本が先進国であり続けるためには、製造業がより高付加価値な製品を投入し続けるか、他国への投資・回収といった金融や他の産業で外貨を稼ぐしか無いのだが。
やっぱり前者を推進する方が過去の成功体験からもやりやすいのだろう。
製造業で付加価値を出すためには安い賃金、減価償却や法人税で新興国と競争できるような環境が必要となってくる。
安い賃金は、やはり労働力の流動化も必要で偽装請負が問題となっており、なんとか海外の労働力を国内に持ってくるしかないのではないか。
日本で(輸出)製造業ほど国際的な競争にさらされている業界は無いのだ。日本国内だけで戦っている産業なんてやはり甘い環境にいると思う。
そう考えると、産業政策上は輸出し外貨を稼ぐ製造業に対するバックアップは大切だろう。
さらに、製造業に頼っているだけでなく、金融は国際的競争力をつける必要がある。
でも競争力をつけるために国内で外資金融とガチンコさせると生き残れないほど重症なので厳しいのだろうな。