›2 04, 2008

上海バブル

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

中国がバブルと言われている。年率10%を超えるGDP成長を維持しているが、それ以上に株価や不動産価格上昇のスピードが遥かに大きい。マルチプル(レバレッジによる増大)では説明が付かない現象と考えられている。

今年に入り上海に行ってきた。この大都会はシンセンもそうだが来るたびに景色が変わる。街の景色、車、服装、化粧、小売と全てが変わる。
高級車が走り、高級ブランド店の前に行列が出来き、億するマンションが売れている。その一方で地方都市からの出稼ぎの低所得者も相変わらず多く流入する。

消費意欲は平均的な日本人より旺盛と感じた。日本と違い、上海は格差社会だ。上海の英字新聞を読んだら、中国のMBAがアジアトップになり卒業生の平均年収は1000万円を超えていた。これは日本国内のMBAより上なのかもしれない。

他方、年収が100万円以下の圧倒的な低賃金労働者がいる。

日本人向けかと思っていたカレーライス屋(ココ壱番屋)には、中国人ばかりで500円以上するカレーを食べていた。

他方で50円の粥を食べる地方からの出稼ぎがいる。

ワーカーの賃金は5%近く上がっているようである。15年で2倍の計算だ。知的集約業務を行うビジネスマンはもう先進国の賃金に収斂しつつあるように感じる。

不動産に関しては米国と同じ投機に感じる。夜街を歩くとマンションの光がまばらだ。住んでいる様子が無い。不動産利回りは2.5%に落ち込んでいるが、長期借入金利は7%と聞いた。サブプライムローンと同じ構図である。米国のように複雑な証券化として売られてはいないが。

地方都市に行くと上海とはずいぶんと違ってくる。未だに物価は安いし、上海、蘇州、シンセンといった工業都市にずいぶん労働者は移ったとはいえ、まだ低所得者が数多くいる。

工場で働く労働者も数年で変わってきたように感じる。以前は背が低く、田舎っぽい若年の女性労働者といった感じだったが、今回見るとほとんどのワーカー(ほぼ全員女性だった)はピアスをし、眉毛を整え、貧相だがちょっとおしゃれっぽい服を着ていた。

ワーカーの賃金は大幅に上昇していると言われるが、今度は消費に向かって内需の拡大を感じた。

株価がPER水準から高いのは、先進国と比べると内需拡大を盛り込んでいると考える事ができる。

また、共産党に対する悪口やマスコミが非難するのもずいぶんと増えたと思う。資本主義を受け入れ、これからは民主国家になるのではないかと思う。

このような見方から考察すると、上海、シンセンのような大都市はバブルであり、これがいつまで続くかはわからない。GDPの内訳から考慮すると40%が輸出(人民元も高くなり、先進国の消費上昇も無い事から貿易黒字は減る)であり、これは先進国への輸出が多いことを考えるとサブプライムローンの影響、さらに毒餃子の影響が世界に波及されるとなると沿岸部工場を発端に製造業の業績が悪化する可能性がある。(高い)

そして信用収縮に陥っている世界の金融が中国市場から逃げるとあっという間にバブル崩壊に至るのではないかと思う。

内需、一般市民の消費の拡大がどれほどかによってバブル崩壊を回避できるか決まるのだと思う。

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