›12 18, 2007

稲畑産業が架空仕入・架空売上発覚

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

稲畑産業が架空仕入・架空売上を行っていたことが発覚した。
IRより

稲畑産業といえば、IT関連、機械、食品など様々な事業分野を持つ老舗の専門商社

今年は内部告発があらゆる業界で勃発した。
この件は内部告発というか、内部統制で発覚した問題だろう。

リスク管理室が仕入在庫の増減を不審に思い営業マネージャーに問いただしたところ、告白にいたったとある。

取引先への資金融通のため架空仕入を実施し、棚卸資産を過大計上した。その棚卸資産を減少させるために架空売上を計上した。

・2007年9月末時点の実体のない在庫の4億円


このIRだけでは詳細はわからないが、営業マンが仕入先救済のために不正を犯したのであり、営業マンの私欲のためでは無いみたいだ。

通常は仕入業者と購買に癒着があり、裏金を貰ったりと私欲の渦巻く世界かと思っていたが。

商社は客先に部材を安定供給をする責任がある。だが、仕入価格を下げないと自社利益(口銭)が少なくなる。そのため仕入業者を叩くのだが、その結果仕入業者が潰れると供給できずにもっと困る事になる。

今回の事件の詳細は不明だが、一般的に商社のビジネスで仕入への資金供給とはそのような背景が多い。商社・卸の資金供給面での存在価値である。仕入業者にしても受取手形が半年以上となると資金繰りが非常に厳しくなるからだ。

今回は発覚したが、商社でこのように仕入業者に資金供給して生かさず殺さず使っているところは多いだろうが、内部統制による発覚や仕入業者の倒産により問題が大きくなって発覚する事も多くなるのではないかと思う。

倒産件数は増加傾向なのだから。

なお、稲畑産業はこの4億強の架空仕入は回収できないはずで、営業マネージャーや仕入業者に損害賠償請求するかもしれないが、当然回収もできない(すれば潰れるのでは)だろうと思う。

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