›12 17, 2007

なんちゃってベンチャー

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

ベンチャー企業とは、そもそもどういう意味だったろうか?
一般的には、ベンチャー企業とは、それまでに無かった新しいサービスを展開する小企業を指すだろう。新規性の高いサービス、それもとりわけ高度な技術開発を伴う企業をベンチャー企業と呼んでいたはずである。

ところが、最近のベンチャー企業はこれに当てはまらないもの多い。例えば、人材派遣、人材紹介会社、偽装請負、SEO(リスティング)、HP製作会社、ITシステム受託開発会社、FC(フランチャイジー)、不動産会社。他にもあるかもしれないが、既存にある技術を利用したものだったり、営業力勝負なんてベンチャー企業とはそもそも呼ばなかったのだ。

ベンチャー企業じゃなくて、ただの中小企業という呼び方で良いのではないかと思う。

さて、ワイズノット、エグゼコミュニケーションなどベンチャー企業と呼ばれているが実態は中小企業であった会社の倒産や民事再生が続いている。
先日も今年の倒産件数が20%増加と新聞にあったのを思い出した。

そもそもベンチャー企業のような、開発が芽生えるかどうかわからないハイリスク企業のほうが倒産確率は遥かに高い。受託開発や、仕入・在庫がいらず誰でも開始できる人材紹介や派遣なんて資金繰りが困らないから潰れる確率は低いと思っていた。

これは上場のため無理をして潰した、もしくは上場ができなくなったため事業継続可能だが諦めたのが増えたのではないか?と考えてしまう。
(人材派遣・請負は偽装請負事件や社会保険未払いのため大幅なコスト増になっている)

上場準備して、監査法人も入れていた会社が結構ある。

考えてみると、受託開発や人材紹介は誰でもできるビジネスである。よってオーナー兼経営者は、時間が経てば競争が激化したり淘汰されるので、短期に上場でリターンを得る事を第一に考える。上場するためには成長性が何よりも優先される。そして無理な採用や店舗出展などをして市場シェアを上げようとする。そうこうしているうちに新規参入が増え、競争激化に陥り、上場まで成長を維持させる事ができなく終わってしまう。

(もっともうまく上場してもその後終わってしまう企業多数であるが、オーナー兼経営者は上場さえできてしまえば莫大なリターンを得る事ができるので大成功なのである。)

上場が出来なかった場合は、成長の為に銀行借入を行うケースも多いが、その場合は経営者の個人保証が必要で失敗時のリスクが非常に大きくなる。

そもそもリスクが嫌いで上場益を狙う経営者が多いので、たいていの場合VC等から増資を受ける事となる。だが、増資が売上高の成長よりも大きくなっても上場できない。

この場合も、オーナー兼経営者は上場という唯一の目標が絶たれ行き詰まった末、リスクが無い時点で会社を終了させようと考えるだろう。

などと考えた。

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