›12 14, 2007

ストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)

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SIVストラクチャード・インベストメント・ビークルのことで日本名では特別目的会社と訳される。

サブプライムローン問題で一躍脚光を浴びた言葉であり、金融機関が資金調達のために募集する特別ファンドだ。SIVは、金融機関のバランスシートにのってこないことが最大の特徴であり、これがサブプライムローンの最大の問題だ。

サブプライムローンが証券化され、その価値の毀損がわからなくなってしまっているのだ。それが霜降り牛のように様々な金融機関の金融商品にまばらに組み込まれてしまっている。

65億ドルの評価損を計上したシティグループでは、サブプライム関連の保有証券のたった2割を評価損とした。また、その評価損の計上が少なすぎるという批判も浴びている。

かつて日本では山一證券が損失を子会社に飛ばし、バランスシート外しをした。鐘紡にしても関連会社に飛ばしを行った。バランスシート外しは結局飛ばしのようなものであり、正確に財務諸表に反映されないという重大な問題を抱えている。

結局山一も鐘紡も破綻した。

日本の金融機関がバブル崩壊後処理した不良債権は96兆円に上る。これもまた今回のサブプライムローン問題の被害を見積もる上で参考になるだろう。

サブプライムローン残高は全体で200兆円程度の模様で、様々な施策によって崩壊を防ごうとしている。ローン自体に関しては金利の据え置きを米国の政策として実施するが、これとて住宅価格の上昇が前提であり、価格が下落する場合債務者は金利の増加から自己破産を余儀なくされる。

いったいどれほどの被害になるのか?それとも世界中の金融機関及び国も救済に乗り出すのか?

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