›12 12, 2007

中国株は何故上昇するのか

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

中国のバブル崩壊は近いと、言われている。PERの高さから考えてもバブルであることは間違いない。しかし、どうして大量のマネーが市場に投入されるのか?

それは、突き詰めていくと元の金利と為替レートが問題である。
元の低金利がインフレとして物価上昇となっている。つまり現金や銀行預金では資産価値が目減りしてしまうのである。だから、上昇する不動産、株に中国人が投資を進めた。

ところが上昇がバブルとなった。本来元は金利を下げ、為替レートもフローティング・ドル・ペッグのようなドルとの固定をやめなければならない。
このような政策は、日本も同様に行っていることであるが、長期的には経済や市場に歪をもたらす。

元が安いがために、中国は米国に輸出できる。そしてドルを外貨準備として持ち、高いドルの金利によって実質的に運用している事となる。

ドルが基軸通貨としての力があるというのが前提での政策だ。ところが米国の経済が衰退し、ドルの価値が下がりまた米国は政策的に金利の低下を進めている。

こうなると中国も日本もドル高による恩恵は受けられなくなる。

政府が為替のコントロールを行ってきた弊害だ。考えてみれば長期的にはそのようになるのは当たり前のことである。米国がドルを刷り、また輸出国がドルを持ち運用する。ドルの供給量が実質的に増えるのでドルの価値は本来下がるはずなのである。

結局ここ数年の好景気や金余り現象はドルが多く刷られただけの幻想だったのだろう。自国の通貨価値が下がって喜んでいたのが間違いである。

物価は上昇する。その兆候としての資源関連の価格の上昇だろう。

中国と日本の政府が為替の政策をどうするかが注目される。日本も実質的には115円プラマイ10円という暗黙の原則を長い間続けてきてドル・ペッグに限りなく近い。

ドルの価値は米国のサブプライムローンを発端に金利切り下げと経済状況の悪化から下落する。相対的に円は上昇するしかない。政府は外貨準備高が運用できなくなり売り浴びせるのか?
それともSWF(政府系ファンド)によって米国の弱体した企業を買い支える事で米国救済に動くのか?

現に今中国やアラブは米国株を大量に保有しつつあり、短期的には米国の経済を支える事が自国にとっても世界経済の安定にとっても重要という認識で動いているようだ。

自由市場とは程遠い世界になりつつあると感じる。

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