利益相反とは、ある行為により、一方の利益になると同時に、他方への不利益になる行為を指す。
アドバイザリー業務など、顧客に対して中立な立場もしくは顧客擁護の立場でありながら顧客の利益を損なう行為が利益相反にあたる。
どうしてこのようなことが起こるかと言うと、一方にしか関与していなければならないはずが他方にも関与するからである。
通常アドバイザリー業務は利益相反してはならないと厳しく法的な規制があるべきであるが、日本においてはそのような法的拘束や倫理観に乏しいと言われている。
大人気だったNHKドラマ「ハゲタカ」の原書を読んだのだが、その中でアドバイザリー業務を行う米国証券会社は銀行が顧客であるにもかかわらず、他方のハゲタカファンドとも密約しており利益相反により大きな利益を上げるプロセスが克明に描写されている。
かなり現実の世界と近いし、登場する金融機関にしても容易に実在のそれを連想させられる名前なのでよりのめり込める。
読めば読むほどハゲタカ、そして米国人の冷酷なまでの金に対する執着や日本の法律を何とも思わない挑戦的な脱法行為、情報収集力に驚かされると同時に腹立たしさも込み上げるのだが。
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