›12 21, 2006

EV/EBITDA倍率(簡易買収倍率)

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企業を買収すると、何年で元を取れるかを簡易的に表す指標がEV/EBITDA倍率である。
EV/EBITDA倍率とは、買収するときでなくても、投資する際にも指標として有効である。

細かく見ていこう。

 EV = 株式時価総額+(有利子負債 - 現金同等物)

EVはEnterprise Valueであり、資産を時価でみると、資本(純資産の部)と負債の合算であること、また負債の一部は企業が資産として保持している現金同等物で返済可能なことから上記の式となる。

EBITDA(イービットディーエー)

 EBITDA=経常利益+支払利息-受取利息+減価償却費

こちらは簡易キャッシュフローと思ってもらえばよい、毎年EBITDAは変わるので、本来1期間だけみてもあまり有効ではないのだが。営業利益のほうがぶれが少なくて良いとも思うが。
減価償却費は費用として発生するが、キャッシュは減らないので戻す意味で加えられている。

EVをEBITDAで割ることによって、企業を買収する費用が何年で回収できるかを示している。
少ないほど買収の価値が高いといえる。

こんな値だが、やはり毎年のキャッシュフローが安定に推移してくれる企業ほどリスクが少なくて本来買収の価値としては高いのだが。
そのためにはリスクを見積もる他の指標が必要なのだが、決算書は過去のものしか存在しないので、アナリストの業績予想が重要となってくる。ただ、こちらも信憑性が非常に怪しいのが現実なのだが。

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