›12 15, 2006

税務上と会計上の決算書

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決算書には税務上のものと会計上のものがある。非上場の中小企業であれば税務上だけ用意するのが普通である。ところが、税務基準に従った決算書であっても会計上適正とは限らず、上場するための決算書にはならない。

ただ、税務上の決算書のほうが会社にとって都合が良いことが多いので、税務上の決算書を主体でつくり、上場準備のために会計上の決算書をこっそりとつくり監査を受けている会社もある。


■税務上の決算書(法人税法上の決算書)
費用計上は会社の任意でできるため、業績悪化時には費用を減らし利益を捻出し、利益が出すぎた場合は費用を増やし節税するというった方法が取られている。
売上に関しても、グループ企業などへのかさ上げの販売(製造業では有償支給財の販売)によって実際の受注金額よりも多額の売上を計上できる。
グループ間で決算期をずらして利益を付け替えするなども節税のテクニックとして行われている。

■会計上の決算書(証取法、商法上の会計基準に基づく決算書)
税務上の決算書では、評価損の計上をしていなかったり、含み損を抱えたままの価額で資産を計上していてる場合があるが、会計上の決算書では適正に処理することが求められる。

新会社法では、会計参与制度というものを設け、社の機関として取締役と共同して決算書を作成する制度が登場した。公認会計士か税理士が会計参与となる。


■裏帳簿
これは税務上の決算書では納税のための決算書に対し、実際の決算書としてつくっている会社がある。つまり納税のための決算書は粉飾のため、実際の動きを知るために裏帳簿をつくるということだ。

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