›11 04, 2006

泣きながら生きて

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

普通に生活しているだけだったら、他人に影響を与えるようなことなんてできないし、自分の人生を変えることもできない。子供を立派に育てることだってできない。
それでも、普通の人はテレビや週刊誌を読んで、与えられた仕事をして、せいぜい飲み屋でグチってみる程度だろう。
そういう主体性の無い行動から何かすごい人生になんか発展しない。
国を動かすのは、やはり能力が高く、超人的な努力を行える人物なのだ。

さて、「泣きながら生きて」という番組を見た。

多額の借金を背負った中国人男性が、日本で一旗あげようと35歳にして留学するが、語学学校がつぶれ、不法滞在者として日本にとどまることになった。上海には嫁と10歳の娘がいるが、不法滞在者であり、日本でしか借金が返せないので残したままだ。
その男性は3つの仕事を超人的に掛け持ちし、借金を返すどころか、娘の渡米と医者になりたいという夢をかなえるべく、必死に働いた。

そして、娘は18歳になり、ついにニューヨーク州立大学医学部に合格する。米国の学費は異様に高い。医学部だから数千万円かかる(州立というメリットは米国人にしか適用されない)。

それほどの額をこの男は必死で稼いだ。歯は抜け落ち、体を壊し、娘と嫁とは8年もまったく会わずに必死に働いた。
そして娘は渡米する時のトランジットとして1日だけ父と会うことができた。

それでもまだ男は嫁とは会えないでいる。娘が大学を卒業するまでは、必死に働かないといけないのだ。

男は、家族の大黒柱として、いくら過酷な状態でも稼ぐことは責務だと語った。「国の主導者が国を発展させる義務があるのと同じで、自分は家族を発展させなければならない」と。

ここまで壮絶な家族はもう日本では見ることができない。でも中国や韓国には、まだここまで禁欲的なまでに努力する家族が沢山あるのを米国で見てきた。
韓国人は嫁と子をなんとか韓国以外の国に永住させたいと思う父が沢山いるのだ。そのために嫁と子だけで米国に滞在させている家族が沢山いた。今では韓国人は米国内でマイノリティとしての地位を確立させつつある。

方や日本はどうか。子に甘く、厳しく接することがでない父親が多いのではないか。子供が嫌がるから勉強させない、喜ぶから欲しいものを買い与える。
そんなのが愛情か。子供の将来、家族の崩壊へ向かうに過ぎない。

今回テレビを見て、家族と10年間会えなくても、毎日会っている家族よりもよっぽど絆は深いし、愛情で結ばれていた。

子にも自分にも厳しくあれる父が、将来に繋がる子供をつくっていけるんじゃないか。

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