›7 18, 2006

ミキモト粉飾(ブランド崩壊の瞬間)

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

ミキモトの本店が、2000年8月~2004年8月の5期にわたり、架空売り上げ13億円を計上し、粉飾決算を行っていたことが判明した。
同社は、架空売り上げに関与していた本店社員30名の減給、管理責任を問い取締役13名の減俸を行っている。
同社の内部調査で粉飾が判明した形となったが、架空売り上げ計上の動機は店舗別の販売目標の達成だったと見られる。

今回の装飾だけでなく、お家騒動からブランド価値の多くが損なわれていると言われている。これは酷いと思うし、内部調査だけでなく原因究明の必要性を強く感じる。

この粉飾の根底には同族、非公開という閉ざされた経営があると思う。経営状況は非公開の為、監視の目が行き届いていないのだ。監視の目が行き届かないとそこには利権をめぐる争いが起こるだろう。
他方同じ業態のタサキ(田崎真珠)は株式公開し、健全な経営をして増収である。

しかも対処が関与した30人が減給、取締役13人全員も減俸処分である。
株式公開企業であればこんな生易しい処分では許されない。犯罪なのだから刑事処分ではないか。所在不明の数千万円分の商品が出てこないのであれば横領である。

しかも顧客や社会に対しての謝罪は一切無し。HPにも書かれていない。

ミキモトでは通常は大型の売上が計上されると支払期限近くに経理部門が顧客に入金の通知をするが、その連絡が免除される仕組みの顧客があり、架空売上はその「お知らせ免除顧客」に付けられていたので不正の発覚が遅れたとのこと。

このような仕組み事態が問題だと思うのだ。
特定の顧客を優遇する仕組みだが、経理上の問題は無いのだろうかと勘ぐってしまう。

なぜなら、中小企業や個人経営の現金商売では、受け取った金を帳簿に付けずに裏金にして脱税にするということが多くあるではないか。通信販売だとか、美容外科とか色々な業種である。

非公開企業においてももしそのような行為があったら許されない。しかも規模が大きければそれなりの社会的責任が伴う。内部監査、コンプライアンスが必要なのだ。ところがミキモトはできていなかった。5年間放置。しかも架空の売上が何故立てられる環境だったのかも不明だ。入金処理はどうしていたのだ?

ブランドとは商品を必要以上の価格で売ることができる付加価値である。今回の事件でミキモトのブランドが一瞬で吹っ飛び地に落ちるのを感じた。

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