日銀の福井俊彦総裁が村上ファンドに1000万円投資し資産が2231万円に増えていた問題である。
根本的には以下の問題のことを言っているのであろう。
資産が2倍にもなるようなファンドに投資するのはずるい。
新聞などから一般庶民の感情を分析すると、いくつの問題に分けることができる。
(1) 7年で資産が2倍にもなるようなファンドに投資していたのはずるい
(2) 一般庶民が投資をできない村上ファンドに投資をするのはずるいしインサイダー取引だ。
(3) ゼロ金利政策をしておきながら高い利率のファンドに投資をするのはずるい
まず、(1)についてだが、資産が2倍に増えるファンドなんていうのはいくらでもあるのだ。7年で2倍ということから複利で約10%である。
モーニングスターでリターンを調べてみよ。
30%のリターンの投資信託だって存在するし、一般庶民だって買える。
(2)に関しては、確かに一般庶民の羨望を感じるだろし、インサイダー取引と言われていて大問題になっている。これは日銀総裁という職務上の倫理的に職責違反だと思う。
(3)も一般庶民からの単なる羨望であろう。
スポニチではこんな風に書かれていた。
庶民には考えられない話≫一般庶民が1000万円を銀行の普通預金に預けた場合、金利は0・001%で、年間の利息はたったの100円。普通預金よりも金利が高い大口(1000万円以上)の定期預金でも金利は0・8%ほど。年間で8000円しか増えない。http://www.sponichi.co.jp/society/news/2006/06/21/01.html
今回の福井総裁の問題は、職務倫理違反、インサイダー取引が問題であったと思うが、いつの間にか金を稼いだことに対する羨望から怒りへの転換になってきていると思う。
これはおかしい。
一般庶民は金融商品に対して無知であることが露呈された。