›6 20, 2006

マネジメント日誌004 「ビジョン」

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社長にビジョンを打ち出すよう促したことが社長の怒りを買ってしまった。最初は何故社長は怒っているのかも理解できなかった。一方的に自分は怒られている。こうなってしまうともう何を反論しても無駄であることも知った。自分は雇われている身であり、この会社では社長が絶対的な権限を持っているのだ。

どんなに理不尽なことでも雇われている身であるため従わなければならない。そんなことは他の従業員はとっくに知っていることであった。だが、大企業でしか働いたことの無い私は社長も社員も発言することに関しては同権だと勝手に思い込んでいた。

そもそも何故社長は激怒したのか。これは根本的には性格の問題なのだとその後わかった。今までワンマン経営者として活躍してきて、誰にも指示などされたことはなかったのだろう。人に指示をされるのを何よりも嫌うのだろう。これは徐々に理解できるようになった。中小企業の経営者というのは工場を建てるにしても担保として自分の資産を差し出しているのだ。従業員やその家族に対する責務もある。そのような重荷を背負って生きてきた人に対して、ただのサラリーマンの提案なんていうものは無責任に感じられるのであろう。

それともう一点理由があった。社長はビジョンを十分に示していると思い込んでいたのだ。

社長に怒られ、その日はその屈辱感と理不尽さからとても気分が滅入った。そしてあまりにも打たれ弱い自分を知り悔しくなった。

所詮自分は今までサラリーマンというぬるま湯にいたのだ。だが自分は今後さらに自分を磨きプロの経営者になりたいと思っていることを再確認した。

そしてこのようなことでは決してめげてはいられないと思った。

自分の提案は間違っていない。ただ伝え方が下手だったのだ。そこでビジョンがどんなに大切かを様々な情報を集めて社長に伝えることにした。

例えば、資金調達、国からの助成金などには計画書を出すことはつきものであった。また社員がビジョンを知りたいということも伝える努力を考えた。遠回しな表現で伝え、諦めずに伝えていることによって徐々にではあるがその重要性について認識はしてくれているようである。このようなことは時間が掛かるということも認識した。

だが、このような動きはあまりにも経営サイド寄りであり、自分の業務がますます現場の社員から冷ややかな目で見られ始めていることも気になっていた。

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