›6 20, 2006

マネジメント日誌003 「ミッション」

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入社してからの3ヶ月間、特に社長から個別に指示は与えられなかった。ただ、話す機会はあったので、考え方や方針を探り出すように心がけた。この社長は創業者であり、オーナーであり、実質指揮官である。小さな町工場から売上高30億近くを稼ぐ中小企業へと発展させた。全て社長の意思決定によって会社が動いていた。

だが社長はエンジニア出身であり、経営については自身の判断のみで動かしている状況を心配し、コンサル出身の私を採用し会社のミドルへと配置したのである。

だが、実質的に私は社長直轄の部署ではあるが、管理部門のためいわゆる現場へは口を出せない立場にいる。

そのような状況から会社をより良くするにはどうすれば良いか、毎日が苦悩であった。現場は過剰な業務、納期に追われている。自分だけが社内で業務が与えられていない情況である。将来を考え自分で業務を作っていかなければならないのだ。それができなければ私は用済みとなってしまう。

現場からは冷ややかな目で見られている状況は続いている。なんとか自分の居場所を探し出さなければならない。そんなことから社長の考えをなんとか知ろうと努力したのだ。

ここの社長はビジョンを示すのが非常に下手であることがわかった。特に将来への展望など持ち合わせていないのかもしれない。ビジョンを持つには年を取りすぎてしまったのか。いずれにしても、誰もがただ客の引き合いが多くなりすぎて、それをこなす事で精一杯のように感じる。

私は自社に類似する企業を調べまくった。そうするとやはり伸びている会社はビジョン、経営手法が優れていると感じさせられた。現場社員からも将来の方針がわからないという不安が聞こえてきた。

そこで私は社長のビジョンをつくるのを手伝うことこそが今会社に最も求められていることだと感じた。そしてそれこそが自分のミッションだと思った。

そして社長にビジョンと経営計画をステークホルダー(社員、株主、取引先など自社の関係者)に示しましょうと提案した。

だが、そのような提案に社長は激怒し一蹴された。

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