›8 23, 2005

東欧チャンス

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中国の次の大きな市場として東欧が注目されている。具体的には2004年
にEUに加盟した国家の中でチェコ、ハンガリー、ポーランド、そして東欧
とは呼ばないかもしれないが、ロシアもブームになると予測される。

旧共産圏でかつては西側諸国には馴染みの薄い国家であるが、ブームになる
原因としては、EU加盟によって取引がしやすくなった。貿易上もヨーロッ
パ内であれば便利であるし、距離的にも近い。そして圧倒的に人件費が安い
ということが上げられる。

実は世の中でブームと言われているのだから、もうじき中国のようにブーム
が冷めるような状況になると思われる。中国より早いかもしれない。

ユーロによって物価水準がヨーロッパ圏内と同じになってしまえば多くの魅
力は失せると思う。それは中国のような固定為替レートを取っているところ
に比べると影響は早いだろう。

ところで、東欧は実は以前からブームであった。
筆者は10年以上前に読んだあるハンガリー出身の数学者(ピーター・フラ
ンクル)の自伝には、ハンガリーには夏になるとドイツから避暑に男女が集
まってくると書いてあった。
アメリカ人がメキシコのカンクーンのようなところに夏にいってはじけるの
と同じ感覚だろうと今では思う。物価水準が違うので、学生でも贅沢ができ
るのだ。

それは、もう30年以上も昔の状況なのかもしれないが、現在東欧の魅力も
能力格差がヨーロッパと大差が無いにもかかわらず、人件費格差が大幅にあ
るということである。

例えば、ヨーロッパ、米国のポルノ市場というのは、ポルノ女優の多くが、
チェコ、ハンガリーから供給されているという事実がある。
彼女たちの言語能力の高さ、白人と変わらないスタイル、美貌に関わらず、
人件費が安いというか、先進国から職業上イメージがよいとはいえないよう
なポルノ女優を発掘するのが困難なため、東欧から調達していたのかもしれ
ない。

そして、EUになって東欧がブームになったが、EU間で自由に各国をパス
ポートのみならずVISA無し、自由にどこでも働ける環境という境遇は
人件費がいっきに底上げされるのではないだろうか。

しかしながら、能力の高さ、EU市場へのアクセスを考えると、人件費以外
の魅力も充分にあるのかもしれない。

東欧チャンス
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