›5 30, 2005

スターバックスのブランド(4)

Category: 経営戦略 / 0 Comments: Post / View

北朝鮮のことがテレビで報道されない日は無いですね。
あの、朝日新聞、TV朝日まで北朝鮮を批判する内容を報道しています。
そんな中、「ブルーリボン運動」があまりマスコミに登場しないのが残念で
す。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/6813/

当メルマガのWebサイトにもリンクを貼らせて戴きました。
http://skillstorage.com/

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▼ スターバックスのブランド(4) ▼━━━━━━━━━━━━━━━━
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■ 顧客志向か、プロダクト志向か

スターバックスを世界的企業に成長させる過程で、ハワード・シュルツは
二律背反する問題に直面する。

それは、顧客に迎合するか?それとも、スターバックスの信念を貫くか?
ということである。

後者の信念を貫くということは、難しい。
当マガジンでも様々な事例を紹介してきたが、プロダクト志向と呼ばれ、
顧客ニーズに適合しない自己満足のプロダクト・サービスの提供を続けても
客は逃げるだけである。
だが、顧客に迎合するということも危険だ。
自社の根底を崩してまで顧客ニーズを満たそうとすると、自身の強みで
あったプロダクトの思想を変えることになる。

ハワード・シュルツは中道を行った。

スターバックスの強みは、アメリカで最高級のコーヒー豆を最高の鮮度で
提供することであった。
そして、顧客のニーズは、例えばノンファットミルクコーヒーであったり、
味付き(バニラ風味等)コーヒーであったりした。
当初は、このような顧客に迎合するサービスの提供を拒否した。
だが、ハワード・シュルツが店舗を観察していたところ、顧客を満足させる
コーヒーを提供できなかったために「他の店で毎日飲んでいるわよ」という
捨て台詞を残して客が怒って帰ってしまった場面に直撃したのだ。

実は、ハワード・シュルツはスターバックスのこだわりを貫き通す、いわば
プロダクト志向の支持者だった。
だが、この独善的な考え方を捨てるよう迫ったのはハワード・ビーハーであ
った。

ノンファットミルクの顧客からの要望が強かった時、当初シュルツは
「絶対にノンファットミルクは使わないよ。」と言っていた。

何故ならば、ノンファットを使用すると明らかに不味くなるからだ。
ノンファットミルクを改良しようなどとは考えもしなかったそうだ。
だが、先のとおり、店で観察していてノンファットミルクが無いために、別
の店に行ってしまった客を見て考えを変えたのだ。

店では全乳とノンファットミルクを選べるようにする方法をテスト考案し、
全店舗で扱われるようになる。

店長たちが実際に業務上の問題点を解決し、全乳とノンファットの調合され
た脂肪分2%ミルクを作る方法まで考案。推奨している社員の自主的な参加
による意思決定の好例となった。

顧客は、どんなやり方であれ、自分の好みに応じてコーヒーを楽しむ権利を
持っている、というのがハワード・シュルツの考えの根本になった。

だが深煎り豆を使った、入れた手の香り豊かなコーヒーというコンセプトは
絶対に曲げない。このバランスがスターバックスを世界的なコーヒーショッ
プへと成長させた理由であろう。

顧客は常に正しい。(日本ではお客様は神様です)
小売業・サービス業の基本精神を貫き、かつ、自社ブランドの根源となって
いるこだわりを両立させる道を探したのだ。

フレーバーロック方式(中の二酸化炭素を抜く真空パック)はコストが非常
に高いであろうが、今でもこのポリシーは貫いている。

■ スターバックスが愛される訳
スターバックスを作り上げたハワード・シュルツも、このことに関して完全
な回答を持ち得ないようだ。

何故、スタバファン(愛好者)がこんなに増え、行列をつくってまで並ぶの
か?
コーヒーの味だけではない。
このことは誰もが確信している。

シュルツはスターバックスが愛される理由として、次のようなことをあげて
いる。

ロマンチックな味わい
手の届く贅沢
オアシス
 自分のことに集中できる空間
普段着の交流
 社交的な場

これらは、アメリカの中級、下級階級にはなかった。
わずか数ドルで買えるコーヒー以上の喜びだ。

■ ブランドで世界制覇するために
スターバックスを成長させるために、利益ベースのキャッシュフロー獲得よ
りも先行投資を優先させた。

これは、急成長して成功している企業はどこもそうだ。
特にアマゾン・ドットコムはすごかった。

シュルツは取締役会で次のように発言した。

「次の3つのことを実現するまでは金は減る一方です。
 会社の拡張に備えて十分対応できる経営陣を集めること
 世界有数の焙煎工場を建設すること
 何百と言う店舗の売上を管理できる高性能のコンピュータ情報システムを
 導入すること」

シュルツがスターバックスを買収する資金として380万ドルを集めたすぐ次
の年に、事業拡張資金として390万ドルを追加調達しなければならなかった。
1990年には更に多くの資金が必要となり、VCから1350万ドルを借入れた。
翌年は1500万ドルだった。

そして収益は年80%以上で店舗数も毎年ほぼ倍増した。

■ ブランドを支える蒼々たる経営陣

ハワード・シュルツは、自分には無い才能を持っている優秀な人材を積極
的に経営陣として向いいれた。

ジェフ・ブロートマンは1989年にスターバックスの役員となった。
小売業界の大ベテランで。コストコ設立者である。

たまたま通りかかったシカゴ店をみてスターバックスに興味を抱いたジェイ
ミー・シェナン。P&Gで長年品質管理責任者、マーケティングを担当。
ブランドの確立、合併事業の設立、カタログの改善、新製品導入。1990年
取締役会に加わる。

バーバラ・バス。メーシー百貨店、ブルーミングデール百貨店、I・マニャ
ン社の最高責任者を経て、カーター・ホーレー・へールズ・エンポリウム・
ウエィンストック社の最高責任者、1996年スターバックス経営陣として参画。

デイブ・オルセンはイル・ジョナーレ時代から店舗運営監督として経営陣と
して迎えられている。

ハワード・ビーハー。以前からの常連客であった。家具業界アイトドア・リ
ゾート開発を手がけるサウザンド・トレイルズ社で25年間営業として活躍し、
当時の店舗数28、1年でほぼ倍増する計画小売業の専門知識、新規店舗のオ
ープンと既存の店舗の経営を並列して行うのに必要なシステムや業務手順を
整備していった。

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いちいち長く左翼っぽい批判メール送ってくる奴いるが即効削除してます(笑)

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