›5 22, 2005

マルチレベルマーケティング

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営業マンの中には、口のうまさこそが交渉のうまさであると考えている人
がいます。
口のうまい営業マンは海千山千で油断が出来ないと警戒感をもってしまう
のですが。

実際には交渉のうまさとは、買い手であるこちらが納得できるかだと思い
ます。

そんなところから、クリティカルシンキングだとか論理トレーニングとい
った言葉がブームになっているのかもしれませんね。

MBAクリティカル・シンキング


▼ マルチレベルマーケティング ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━

■マルチレベルマーケティング
ネットワークビジネスとも言われる。
マルチレベルマーケティングはマーケティングではない。
ビジネスの仕組みそのものだ。実態が把握しにくいのはその特徴上である。

アメリカで大流行したバイラルマーケティングという言葉も、結局は広義
のマルチレベルマーケティングである。

では、マルチレベルマーケティングとはいったい何か具体的に見よう。

これといった定義はないのかもしれないが、筆者は次のようものが本質的に
正しい認識だと考えている。

「マルチレベルマーケティングは製品の流通を人的ネットワークのみに
よって行うビジネスの仕組みのことである。」


■流通方法
通常流通の流れは以下のようになる。

製造業-->問屋-->小売-->消費者

一方マルチレベルマーケティングでは以下のようになる。

製造業-->販売員-->消費者

ここで言う販売員というのが曲者で、実際には以下の図式が正しいだろう。

製造業-->販売員-->販売員-->販売員-->販売員-->販売員-->消費者

要するに販売員にも小売も問屋もいる。だが、実際には全て元締めによって
コントロールされているのであるが。


■プロモーション方法
一般に流通過程で、各過程でプロモーションコストが非常に高い。(マル
チと比較すればだが。。)

マルチレベルマーケティングでは、通常宣伝にコストがかからない。
販売員みずからが直接宣伝を行うからだ。
口コミを利用したバイラルマーケティングが行われる。

マルチレベルマーケティングはビジネスの仕組みだが、マーケティングで
あると言うならばこの口コミを利用した増殖の過程ではないだろうか。


■経営方法
一般に製造業から小売にいたるまで、全てが独立した企業で複数の従業
員がいるため当然経理から人事といった総務部門が必要となる。

一方マルチレベルマーケティングでは元締めの製造業者以外は問屋も小売
も個人だ。ひとりひとりが個人経営の独立した事業者となる。


■もともとはアメリカかから。
日本ではマルチ商法といったら犯罪を連想させる。
マルチであってもマルチ商法では無いなどと以前勧誘しようとしたものは
必死で納得のいかないことを言っていた。

アメリカではネットワークビジネスが非常に盛んだが、企業が日本に進出
して思うよう効果をあげてはいないようだ。

そこで共和党のパトロンであるアムウェイ社は、ロビイストのような行為
もしているようだ。エンロンの事件でも思うが、アメリカ人はルールを自
分が有利なようにしようという発想を持っているのではないか?

米国政界を通して99年4月1日発表の外国貿易障壁報告書の日本に関す
る部分で、ダイレクト・セリングを課題に掲げさせて、「日本における
指導的な米国のダイレクトセリング企業(ア社?)が不当な扱いを受けて
いる」と指摘した。
実際日本では生活センターでマルチによるかなりの被害が報告されている。



いわゆるマルチ商法を取り締まる法律に、特定商品取引に関する法律(旧訪
問販売などに関する法律)の第三章に規定された「連鎖販売取引」という項
がある。

(1)「商品を販売したり買うように仕向ける」行為
(2)「決められた報酬が受けられることをメリットとして(1)の行為を行うよ
  うに誘う(リクルート)」という行為

(1)、(2)をセットで行うことでです。これはマルチ商法を規制するための法
律となる。

連鎖販売取引行為そのものに問題があるのではなく、問題なのはその悪質性
についてである。

日本では悪質商法の代表のように言われるマルチ商法であるが、この法律を
厳密に守っていれば営業して構わない訳だ。

マルチレベルマーケティングも、連鎖販売取引行為が頻度の差こそあれ行わ
れているわけだから、法律の第三章(連鎖販売取引)を守らねばならないが、
それでは営業できないから、微妙なビジネスモデルである。


■金持になれるか
マルチレベルマーケティングは販売員に目的意識を持たせることが、非常
に重要だ。自分が販売員であったら勧誘していかなければピラミッドに上る
ことができない。
実際にマルチレベルマーケティングで儲けているものは、1000人に1人
のピラミッドの頂点に立つものだと言える。

マルチレベルマーケティングでベンツや家を買ったというものはさらに、
ピラミッドの頂点にいるものだろう。

不景気ゆえにサイドビジネスとして手を出すと、本業がおろそかになる
危険性が高い。

だがマルチレベルマーケティングそのものの思想は非常に合理的であると
筆者は考えている。

無気力な者、刹那観にひたる者、生きがいを見失ってしまったものにとって
はモチベーションアップの最良の方法かもしれない。

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▼ コラム ▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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■IT系企業の草の根の争い
マイクロソフト社とオラクル社の仲の悪さは、有名だ。
オラクル社が探偵を雇ってビルゲイツのごみを漁っただとか、ゴシップでも
報じられる。

オラクル社とマイクロソフト社の対立はデータベースソフトのシェアをめぐ
ることに起因する。
データベースの需要のパイは決まっている。それをどのように奪い取るか、
熾烈な争いが行われている。

これまでデータベースの販売は主に企業の基幹系システムがメインター
ゲットだったこともあり、経営トップやCIOを対象にした営業方針が主で
あった。

だが、実際にはデータベースを売るのはマイクロソフト社やオラクル社
といった製造元だけではない。実際には多くがSI(システムインテグレ
ータ)や客先のSEが交渉における重大なパワーを持ちうる。というのも、
データベースは製品を設計・カスタマイズして導入する必要があるからだ。

各社共に現場SEの囲い込みを必死で行っているようだ。
オラクル社はオラクルユーザ(SE)の集いの場をインターネット上に開
設し情報交換の場やプレゼント実施、情報提供の場を積極的にセールス
プロモーションとして以前から行ってきている。

マイクロソフト社も以前は評判の悪かったデータベース製品だが、オラク
ル社からWindowsプラットフォーム上のシェアを奪うためオラクル技術者
のための、SQL Server(マイクロソフトのデータベース製品名)技術トレ
ーニングを無料で開催している。

マーケティングで重要なのは客のニーズと考えていた。だが、実際には見
えない客というのが存在していたのだ。
セールスの交渉で押さえるポイントというのは、弱者・弱点だったりする。

話がそれるが、ある企業に対して損害賠償の団体訴訟があったとする。
企業はたいてい弱者を見つけ出して、その中でも特に弱者にこっそりと
交渉し甘い言葉でささやき団結の力を乱すものだ。

マーケティングにおいてもターゲットを変えた戦略を打ってみると、
効果が得られるかもしれない。

先のマイクロソフト社とオラクル社の熾烈な争いだが、実はIBM社もデータ
ベースをつくっている。以前記事で読んだが、IBM社製データベースはIBM
に言わせるとオラクル社のデータベースの機能を凌ぐ部分が多くあるにも
かかわらず、導入できる技術者が少ない為、なかなか客に売れないのだと。

今回出てきた企業の共通点は?

アメリカ企業?デファクトスタンダード戦略?

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女の涙は最高の武器 By 小泉

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