ここ5年程でTOEICは社会に完全に浸透したようです。最近では大学生も受験
し、会社では昇進の条件としているところが広がりました。
筆者の友人が職を失った際、転職斡旋業者はこれまでのキャリアをまったく
評価してくれなかったそうです。(ゼネコンだったせいかもしれませんが)
ところが、TOEICを受験し、900点弱を取ったとたん、大手企業を受けてみる
ことを薦めてきたり、仕事をたくさん紹介してもらえるようになったそうで
す。
このように今日では、もしかしたらキャリア以上にTOEICが評価されるといっ
た状況も起りうるのです。
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約2年前に行ったアンケート結果がある。
質問: 今までに英語学習で挫折した経験がありますか?
1 ある 52人 (83%)
2 ない 11人 (17%)
質問:あなたの英会話能力は充分ですか?
No. 選択肢 人数 割合
1 ビジネスでも充分通用する 19人 7%
2 日常会話程度なら 78人 28%
3 ほとんど話せない 122人 45%
4 全くダメ 55人 20%
合計 274人
質問:日頃、英語力の必要性を感じ、自己の英語力を向上させたいと思う
ことはありますか?
No. 選択肢 人数 割合
1 強く思う 129人 48%
2 しばしば思う 87人 32%
3 特に思わない 42人 16%
4 全く思わない 10人 4%
合計 268人
とこんな結果であった。
英語の学習で挫折している人は意外にも多い。
だが、社会的に英語の重要性はますます高まっており、今やビジネスマンに
とって必要条件になってしまったようだ。
□ TOEICにまつわる3つ嘘
TOIECでは、オフィシャルで言われていることが受験生にもまかり通っている
嘘がある。
(1) TOEICでは問題に下線や書込みを一切してはいけない。
(2) TOEICの問題はイクエイティング処理されていて、実力が同じ受験者は何
度受けても同じ点数しか取れない。
(3) TOIECの試験問題は変化がない。
これらは、何度も受験すれば迷信であるとわかる。
TOEICを攻略するためには、まずこれらを忘れ新しい3つの心理を頭に植付け
る必要があると思う。
(1) TOEICで問題用紙に書込みしてもとがめられない。(バレない)
(2) TOEICではテクニックさえ覚えてしまえば、短期間で100点以上のUPが可
能である。
(3) TOIECは年々難しくなっている。問題はバンク方式で、蓄積され使いまわ
しされているが、年々蓄積量が増えているため。
□ TOEIC攻略の秘策
TOEICには攻略法がある。何故ならば一定の傾向とバンク方式による特定の問
題が使いまわされているからだ。
何度もTOEICを受けていると、その傾向がわかってくる。
そして、巷で売られているほとんどの問題集が役に立たないことがわかって
くる。
何故巷のTOEIC本が役に立たないのか?
それは、TOEICのためにつくられていないからだ。TOEIC本を書いている人は、
たいてい英検の本も書いている。英検の問題を使いまわしているのがほとんど
だからだ。
もしくは、大学受験センター試験の過去問題からピックアップしているような
ものもある。
だが、それら国産の英語試験とTOEICはまったく違う。TOIECは米国で作られて
いるからだ。
要するに、ほとんどのTOEICの本を書いている人は手抜きでいいかげんに問題
集をつくって売っているのである。
TOIECでは問題を持ち帰ることができないため、徹底的に分析している人が日
本ではほとんどいないのが現状のようだ。
そんな中、TOEICの問題を徹底的に分析して、何度もくり返し出題されている
問題(バンク形式の問題)と傾向についての本が出版された。
「TOEIC Test「正解」が見える」
TOEIC Test「正解」が見える キム・デギュン 樋口 謙一郎 by G-Tools | |
という本で、著者は何とキム・デジュンという韓国人である。
これまで、韓国ではTOEICを始め、旅行からファッション雑誌に至るまで、ほ
とんどが日本で出版されているもののハングル版であった。
それがTOEICで最も役立つ本を韓国人が独自に調査し書いたのは驚きである。
この本では、くり返し出題される問題ばかり書いてあり、読んで試験を受けれ
ば、それだけですぐに点数が数10点はあがるであろう。
だが、それだけでなく、TOEICの傾向がわかるので今後どのように勉強してい
けばよいのかが分り役立つ。
□ TOEIC向け勉強法
TOEIC向け学習法は傾向をつかんでから行うのが最も効果が高い。
先ほどのキム・デジュン氏が言うには少なくとも3回は受けてみないと実力が
発揮できないそうだ。
それ以外の点で言えば、簡単な文章をできるだけ多く読むことだ。
国立大学受験生は、難しい問題を、時間をかけて解くことになれているので、
不慣れであろう。私大の学生でも受験を終えて入学してしまえば、大学で学
ぶのは難しい英文解釈がほとんどでだと思う。
大学4年間で読む全英文量は、アメリカの日曜版新聞(分厚い)に劣るという
研究報告があるほどである。
では、どうすればよいかというと、簡単な英文をひたすら読むのが良い。
(最近は電車でハリーポッターのペーパーバックを読む人が増えたように)
リスニングも傾向を見ればわかるのだが、難しい単語は出ない。ほとんどが
高校1年までに習った単語だ。
こちらもCNNのような難しい内容のニュースを聞くよりは、簡単な英語をトッ
プスピードで話しているものを聞く方が効果があるようだ。
□ TOEICを何に使うか。
今のところTOEICは会社での地位のため、転職のためといった使い道しかない
のではないだろうか。
TOEICで900点をとっても、アメリカの3歳の子の会話が聞き取れないといって
泣いている人は大勢いる。事実、TOEICリスニングで満点をとっても、英語のテレビ番組、映画は全然理解できないのではないだろうか。
本来ならば社会で英語能力を評価する際には、面接官が英語でインタビューを
するのがベストのはずであるが、面接官で英語ができるものはほとんどいない
であろう。だから転職や会社での地位向上を目標としての英語学習をするので
あるならば、本来の英語学習とTOEICを分けて考えるべきである。
TOEICではテクニックが有効、スピーキングもライティングもない。
傾向が一定。使いまわしの問題が出る。
英語が必要となった世の中だが、実はまだ英語は必要ではない。
TOIECの点数を上げることが重要なのだと言うことが、わかっていただけただ
ろうか?