›5 26, 2014

小さな政府、夜警国家を住んでる街から実現しよう

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

都市部の多くでは新住民と従来の住民の価値観が全く違う。
特にベッドタウンと呼ばれる街では、住民は昼間は都心に働きに出かけ、夜は寝るだけ、週末も地域の活動に参加しないという住民が多い。

地域の活動があるとしても、せいぜい子供の習い事に親が一緒についていくという程度ではなかろうか。そんなことでも地域のコミュニティに入るというのは、自己防衛上も非常に重要なことだと思う。

関東では30年以内に直下型地震が70%の確率で起こると言われている。東北の震災で関東全域が停電・物流ストップとなった時のことを思い出して欲しい。国も地域行政も助けてくれなければ、より地域に根ざしたコミュニティ、家族だけが頼りになるのだ。

筆者の住む街は開発されたベッドタウンでは無いが、マンション建設が乱立し人口増加が激しい地域だ。昔から住んでいた訳ではないが、近所にはシャッターは閉まっているが魚屋、八百屋、畳屋といった店が並んでいて、昔は商店街だったことを彷彿させられる小道がある。

200世帯以上が住むマンションだが、町内会への加入者はゼロで、最近勧誘にあって入ってみたのだ。(筆者も震災以降、地域のコミュニティの結束と重要性を考えているのだ)
町内会の総会と飲み会に参加してみて分かったことは、昔から住んでいる住民の集まりの場だということだ。30年以上前は畑と田んぼばかりで、今は海外に移転してしまった工場があり、その工場のそばに社宅があり、商店街も小料理屋も繁盛していたらしい。

夏になれば盆踊りや神輿を準備し、冬になれば火の用心をやる。そんな地域に根付いた活動の場なのだ。

マンションに住む新住民は珍しいらしく、色々と質問をされる。昔から住んでいる原住民にとって新住民は何を考えているのか分からないようだ。

新住民は寝に帰るだけで、消費も地元ではほとんど行わない。せいぜい学校教育だけだ。それも私立の学校に入れてしまっていれば、まったく関係ない。行政や政治に求めることなんて何もないノンポリだ。

原住民は、昔から続く商店だったり、地主といった人が多いらしく、自民党の支援者が多い様子だ。他方、新住民は政治に感心がないので、そもそも選挙に行かない。
行くとしても政党名で選ぶ程度だ。

地域の選挙結果を調べてみたところ、やはり自民党がトップ当選しており、民主党が2名、公明党が2名とあるが、2位当選はみんなの党だった。これは都市部に特徴的な新住民が政党名だけで選んだ結果だろう。何しろその議員は街頭演説も握手もしない選挙活動だったのだから。

先日、「クローズアップ現代」で放送された「独立する富裕層」サンディ・スプリング市が興味深い。その地域は米国に特徴的なスラム化した中心部の貧困層と郊外の富裕層に分断されていた。当然税収は富裕層の地域に依存することとなるが、分配により使われるのは貧困層の地域においてだった。

怒りが爆発した富裕層が地域の独立のために蜂起して誕生したのがサンディ・スプリング市だ。流石は米国だと感動した。市民が行政に積極的に関与し、自立し啓発され参加している。そこでは、行政に運営をまかせず、行政の業務のほとんどを民間にアウトソーシングしてしまった。10万人弱の都市で、市職員が4名とかだ。その結果、税が効率的に使われ市の予算は3分の1程度まで減らすことができたそうだ。

このようなことは日本において都市部の自治体にも言えることだ。特に東京都は税収が多く、地方交付税を受けていない。そもそも税収が高く、小児医療も無料ときているので住民の関心も低いのかもしれない。

何しろ、都市部の新住民こそが税奴隷となっているのだから。
TPPにしても、海外から安く食料が入ってきて良いことだらけなのに、大声を出して反対するのは農家だ。地域のイベント、商店街や町工場への補助金も声の大きい原住民によって税が配分されている。

新住民の望みは、名古屋市で減税され住民に還元されたように、行政は最低限の事以外何もせず、規模を縮小させ税金を減らしてもらうことだ。

補助金を貰った商店街のありさまを見よ。
夜は店を閉めるのが早く、お盆、正月の三が日は休んでいるではないか!
商店街が敵視するコンビニもイオンも営業しているというのに。新住民は夜に職場から帰ってくるというのに。

政治の無関心は、一部の既得権益層に税金を奪われることだと思うべきだ。

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