›10 16, 2012

サプライサイド経済学 v.s. デマンドサイド経済学

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

オバマ対ロムニー、それから自民党に対する維新の会やみんなの党の議論の対立軸を見ていて明確な経済政策として見えるのが、サプライサイド経済学かデマンドサイド経済学といった違いだ。

サプライサイド経済学は供給能力を強化することによって経済成長を実現しようとする政策である。
その前提には「生産したものが全て需要される」というセイの法則を置いている。

かつてアメリカのレーガン政権においてレーガノミックスと言われる政策は、サプライサイド経済学であった。減税や規制緩和により供給能力を高め、また余剰資金を投資や消費に回すことによって「強いアメリカの復活」を実現していったのであった。

それに対してデマンドサイド経済学はケインズ型の経済政策である。需要を創出するために公共事業を積極的に行う。

最近の対立軸として経済政策での対立が際立っているが、経済学においても金融政策と財政政策での対立、ケインズ経済学に対して新古典派経済学といったように昔から論争は続いていたのだ。

近年においては、政策は混合して行うことが合理的であるというのが経済学者の概ねの合意である。

経済学的には財政出動による需要喚起よりも金融政策の方が効果が高いことが知られているが、デフレ経済下においては状況が異なる。

現在の日本経済は20年近くにも上る長期のデフレ衰退に陥っており、量的緩和をしても企業の貸出に回らず、企業の投資や消費に回らないといった現象や流動性の罠に陥っておりなかなか不況から脱することが出来ない。

また財政赤字が膨らんでいる中、公共部門の赤字削減は喫緊の課題であるが、緊縮財政による経済の停滞といったギリシャのような悪影響も想定される。

他方、財政出動するにあたり乗数効果の期待できるバラマキなど存在するのかという根本的な疑問も残っているのだ。


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