›3 08, 2011

中国の「民工」(労働者)不足問題

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毎年、中国では春節と呼ばれる旧正月が終わると、民工と呼ばれる低賃金労働者の不足問題に悩まされる。
田舎に帰省して職場に戻らない現象だ。日系企業に聞くと2割程度が戻ってこないという話があった。

これは労働集約型の製造業では生産ストップに至る事態に陥り、大変な問題となっている。
そもそも中国で生産する製造業は、賃金の安さを求め、設備による生産ではなくて人による生産に頼っている面が強い。中国の人民元が安く、賃金が低かったため、中国での生産が順調だった会社は多いが、ここにきて民工不足問題と賃金上昇率の高さから転換期に来ている企業が多い。
賃金に関しては禁止されているストライキが黙認され悩まされている企業が多い。

中国の生産現場は何度か視察させてもらったことがあるが、その状況は劣悪であった。何千人もの中国人を数人の日本人が管理しており、労働者はライン作業で頭脳を全く使わないような単純作業を立ちっぱなしで永遠と繰り返すのだ。
発展途上国でおなじみの光景ではあったが、中国の沿岸地域は所得の向上から第3次産業が伸びており、当然サービス業の方が仕事は楽だ。その分知能を問われる仕事にはなるが。

Apple、任天堂、ソニー製品などを受託生産するフォックスコンでは何十万人という民工が働いていたが、自殺者が増えた事件が昨年問題となった。

中国の製造業の転換期の意味することは、より安い賃金を求めて東南アジアに移転するか、自動化設備などで民工に頼らない生産体制を整えるかということだ。
過去の日本の高度成長期でも見られた光景が現実問題となっている。

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