›3 25, 2010

為替政策

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

景気対策として国が取れる対策は財政政策と金融政策だけである。だが国際的な批判を受ける覚悟と莫大な資金があればもう一つの政策が取れる。
それが為替政策である。為替政策とは、自国の通貨の為替レートを都合の良いように支配することである。
自国の通貨が安ければ、自国の輸出産業が潤い、高ければ輸入産業が潤う。

為替政策を世界中の批判を受けながら強引に行っている国家が中国だ。かつて日本が製造業の輸出で急成長していたのは安い円のおかげで品質の悪い日本製が売れた。その後日本製の品質は世界一にまでなったが、プラザ合意後の円高によって急速に競争力を失った。
中国は発展途上であり、品質は悪いが安い人民元のおかげで急成長しており、過去の日本と同じパターンである。現在米国を中心に中国の為替のペッグ(固定相場)が批判されている。しかしここで元の切り上げを行うと中国の多くの製造業が倒産してしまい競争力を失っていまう懸念がある。

中国がすごいのは世界中で批判を浴びても決して屈しないところであり、日本とは対極的である。その根底には軍事力の担保があるのだとは思うが。
また為替を維持するための外貨資金も潤沢にある。

元の切り上げ動向は注目され、欧米の経済紙では毎日のように報道されているが、このように考えるとすぐには無いということがわかってくる。いつ元の切り上げが行われるのか。中国の産業も輸入と輸出で成り立ち、今は主に先進国への輸出が主力である。それが米国のように国内消費が中心となり輸入に頼るようになると強い元が有利になるということは間違いないだろう。

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