›2 02, 2010

垂直分裂

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パソコンは誰でも作ることができる。CPU、モニター、マザーボード、メモリ、ファン、OSと何でも手に入るからだ。
個別の部品は個人ではつくることができないが、部品を買ってきて組み立てることができる。
かつてはできなかったことだ。

現在のパソコンをつくっているメーカは個人が自作パソコンをつくることとあまり変わらない。部品を買ってきて組み立てるだけだからだ。
違うのは徹底した合理化でコストを安くし、筺体デザインを考え、物流・販売を行うことだ。

東京大学の丸川知雄氏はこのような現象を垂直分裂と呼んだ。
電子部品は日本企業が得意としている分野であり、組立は中国にある台湾企業が得意としており、現在はその分担が非常にうまくいっている。
逆に垂直統合モデルで部品から組み立てまで全てやっている会社はダメになってしまった。

バリューチェーン(製造の川上から川下までの流れ)を見る際にスマイルカーブと呼ばれる現象が起こり、川上の部品、素材、川下の小売が付加価値が高い。
付加価値の低い組立は中国のような人件費、製造コストで行うべきだからだ。

そのような垂直分裂が進んでいない典型が自動車業界である。

しかし、たくさん生まれてきている電気自動車はパソコンとほとんど同じだ。垂直分裂しており、部品は買ってきて組み立てるだけで、パソコンよりは難しいだろうか個人でもつくることができる。
そして良い部品もどんどんオープン化されていってどんな小さな企業でも買えるようになるのだろう。



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