大恐慌時代(The Great Depression)とは、1929年に暗黒の木曜日(Black Thursday)で始まった世界恐慌(world crisis)である。
リーマンショックによる金融危機について考えるに当たり、正月休みに本や映画を見てみた。
大恐慌時代を描く映画は多い。ウォール街の証券取引所から黒い塊(人)が落ちてくる映像(飛び降り自殺)が子供の頃見た時は衝撃的であった。
今回の金融危機と同様の点がいくつもあるのに改めて驚かされた。
投機ブームが起こっており株価が軒並み上昇していた。靴磨きの小僧までもが株の話をしていた。その一方、機械化・工業化により生産性が向上したためいたるところで過剰生産に陥っていた。生産過剰は欧州への輸出というグローバリゼーションによって補われていた。
一般投資家ブームになり、家を担保にした信用取引によってさらに投機熱が上がっていった。
そしてある日突然クラッシュしたのだった。
米国のみならず先進国にこの恐慌は伝染した。そして各国は自国経済を守ることを優先させ閉鎖的なブロック経済による保護を行っていった。
失業者は町に溢れ、家を失った家族が車で移動する光景が有名で、多くの映画で描かれている。
ドイツはハイパーインフレが再発し失業率は30%を超え、失業者で溢れナチズムが台頭した。
世界経済はボロボロになりつつも金融政策・財政出動とありとあらゆる政策を各国は行っていったのだ。
その中で効果的だったのは財政出動であり、とりわけ戦争による軍需景気であった。
この時代の恐ろしさに比べたら今の日本の状況はずいぶんと恵まれていると思った。考えてみると大恐慌時代は恐ろしかったのか、とも思えてくる。
恐慌時代に各国の平均寿命は延びたそうだ。仕事や消費からの解放によるものが大きかったという。仕事と金を失ったことで逆に得られたものも大きかったのかもしれない。
今の不況がいつ終わるか分からない。しかしもっとすさまじい状況を世界は経験している。今の時代は命までは失わないし、餓死もしない。そして景気には波か必ずあるということも歴史が証明している。