›1 21, 2009

ハイパーインフレはいつくるのか?

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

貨幣は何かと考えてみると、中央銀行である日本銀行が発行している借用証書である。
バランスシートでみればわかるが、負債に発行銀行券がある。
つまり国民から無利子で調達する負債であり、その借用書として貨幣が出回っていると考えることができる。

日本銀行のバランスシート
2008年12月の日銀バランスシートを見ると、発行銀行券が81兆円であり、2001年5月では57兆円であり、貨幣が増加していることがわかる。

オバマ新政権にせよ、欧州にせよケインズ理論により財政赤字を膨らましてでも公共事業や景気刺激策を行おうとしている。また金融機関やビッグスリーのような経済の基盤事業は税金の投入による救済も行われようとしている。
サブプライム問題とリーマンショックにより世界不況に突入しており、好景気下で有効だった減税による景気刺激はもはやなかなか通用しないのだろう。(赤字の企業や消費者からはそもそも減税できない)。かといって公共事業なんかがこれだけインフラが整った先進国で有益なものがつくれるのかは大いに疑問だ。

マクロ経済学の重要な公式を基本ベースとした政策を行っているので、経済学の知識は重要だと痛感する。

総需要=C+I+G+X 
(消費:C、民間投資:I、政府支出:G、輸出:X)

  総供給=C+S+T+M
(国内総生産と輸入:M、消費:C、貯蓄:S、租税:T)


フィッシャーの交換方程式
PT=MV
(P:価格、T:取引量、M:流通貨幣量、V:貨幣の流通速度)

マネーの流通量をまずは増やし(M)、マネーの流れをよくすること(V)により、物価(P)は上昇するのが基本公式である。実際には不景気下では取引量(T)もマネーの流通速度も上昇しないので現状ではデフレが進んでいる。供給されたマネーが流通せずに貯蓄に回されてしまうのである。消費者にせよ企業にせよ、先の見えない不況では不安なのでキャッシュフローを抑え、貯蓄で生き延びようというのは当たり前のことだろう。

デフレにおいてはマネーの価値は非常に高い。ゼロ金利でもタンス預金でも物価が下落しているので実質金利は高いということになる。資産をマネー以外で持っていたり、借金があるとその負担は重くなる。

国家は財政赤字が続き、デフレが続くと借金の負担がでかくなる。しかもデフレなので不景気のため財政赤字は増える一方であり、デフレ解消のためには政府の借金の削減という観点からもインフレになることが望ましいということがわかる。

将来的にはハイパーインフレの時代が来ることは確実だと思われる。だがいつかは予測はできない。

Comments