›1 11, 2009

不景気とデフレが進行する不況経済

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

米国、欧州とだんだんとデフレになりつつある。90年代後半の日本と同じ現象であり、対処も金融機関への税金投入による救済、ゼロ金利、量的緩和とタイムマシンで戻ったような感覚がする。
オイル価格、株価、為替と変動が激しく何が起こるのか、今年の予想はどうなるのか誰もはっきりした予測はできない状況だろう。

このような状況なので、経済学の理論で各国の政策がどのような影響を及ぼすのか、やはり自分で考えるしかないのかと思う。ちまたには不況本、サブプライムローン問題の分析本があふれているが、経済理論を軸に書いているものは根本的に共通したところがあり、予測に関しては独自の理論を振りまいている部分があるという感じだ。
もっとも多くのそれらの本は、経済理論などまるで知らないような連中が勝手なことを書いている酷い状況でもあるのだが。

さて、インフレ、デフレは流通通貨量(マネーサプライ)の量による。過剰流動性と言われた昨年までの世界経済から一転して貸し渋り、信用収縮の世の中と変わった。さらにマネー流通がリーマンショックで劇的にしぼみ、これからはマネーを大量に供給するのが中央銀行や政府の景気対策となっている。

そのような状況で、現金の価値が非常に高くなっている。現象が顕著に見られるとデフレになる。

デフレにより、債務者損失(借金負担がでかくなる)、マイホーム保持者は資産価値の下落が起こり、逆に債権者利得が生じる。

□デフレの種類
需要面と供給面のデフレ(費用デフレ)
需要面では消費デフレ、財政デフレ、信用デフレ
さらに円高による輸出減少による輸出デフレ
供給面のデフレ、技術革新(生産性の向上)、派遣従業員によるコスト低下
土地、株式などの資産の急激な値下がりによる資産デフレ

このように教科書に書いてあるデフレを列記しても、デフレ要素が大きいことが分かる。
日本で10年前から議論されていたデフレ・スパイラルに先進国が陥る事態が考えられる。

しかし、日本最大の債務者は日本政府であり、米国も同様であることを考えるとデフレがどれほど国家の危機に繋がるか分かる。デフレを回避するためにあらゆる手段を講じないと国家が危機的な状況に追いやられる。

金融緩和と赤字財政(バラマキ財政)、さらには過去に例が無いインフレターゲットまで考慮にいれ必死になった対策が行われる

流通通貨量が多くなっても、商品の購買が増えないような世界同時不況であるためインフレにはなかなかならない。景気が回復したときには流通通貨量と貨幣の流通速度が上がり、フィッシャーの公式(経済学の教科書に登場する基本公式)からもインフレがいっきに起こりハイパーインフレになる可能性がある。それがいつになるかは誰も予測できないが。

フィッシャーの交換方程式

PT=MV
(P:価格、T:取引量、M:流通貨幣量、V:貨幣の流通速度)


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