›11 29, 2007

円高で日本人は得する(トヨタは損するが)

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

ものづくり白書によると、2006年の製造業の経常利益は25兆円強(12.4%増)である。全産業で58兆円強である。

製造業の付加価値生産額はGDPの21%であり、サービス業に押されて長期的には減少傾向である。

さて、円安が国の経済に大きな影響を及ぼすように報道されているが、この点には常々疑問を感じていた。日本の産業が製造業に依存しているのは否めないが、最も景気に重要な指標は消費である。円安が消費には繋がらない。海外製品が、値上がりし購入できなくなる。

貿易収支であるが、わずか8兆円弱(9.2%減)である。輸出額が75兆円あっても、輸入も増加しているということである。

何故円安が問題になるかというと、打撃を受けるのが国内でロビー活動で影響力が大きい、セットメーカー(最終製品メーカー)の発言力によるものだ。具体的には海外販売比率の高い、トヨタ、キャノンは経団連の地位もあり絶大だ。
だが、下請けメーカー、部材メーカーにとってみれば資源・材料は輸入品に頼っており、むしろコストとしては円高が望ましいのではないか。

下請けメーカー、部材メーカーが日本のセットメーカーに依存しているのも円安が歓迎される理由になると思う。

だが、経済学的にも、円の力は国力である。安くて良い筈が無い。円高によって、日本人の購買力が増強され消費が刺激される影響の方が遥かに大きいと思うのだが。

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